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トルコのエルドアン大統領、軍再編を表明「新たな血を送る」
7月21日、トルコのエルドアン大統領は、ロイターとのインタビューに応じ、軍の一部が試みたクーデターについて、これまでの情報活動に重大な欠陥があったとの見解を示した。写真はアンカラで21日撮影(2016年 ロイター/Umit Bektas)
トルコのエルドアン大統領は21日、ロイターとのインタビューに応じ、軍の一部が試みたクーデターについて、これまでの情報活動に重大な欠陥があったとの見解を示した。早急に軍を再編し、「新たな血を送り込む」と表明した。
エルドアン大統領がインタビューに応じるのは、クーデーター未遂事件を受けた非常事態の宣言以降、初めて。
エルドアン氏は「情報機関の活動に重大な欠陥があったことは明らかだ。それを隠したり、否定したりしても仕方ない。情報機関のトップにもそう言った」と語った。
また、新たなクーデターを試みる動きがあるかもしれないが、「われわれは警戒を強めている」とし、簡単にはいかないと述べた。
エルドアン政権は、敵対関係にある米国在住の宗教指導者ギュレン師がクーデーターに関与したと断定し、ギュレン師の支持者とされる6万人以上の兵士、警察官、判事、公務員などの身柄を拘束した。
ギュレン師の運動はクルド系反政府勢力と同様、「分離主義のテロリスト」として扱うと言明。悪性のがんとたとえ、根絶しなければ拡大したり再発したりすると強調した。
エルドアン氏は、軍の再編を迅速に進めるため、軍幹部人事を決定する「高等軍事評議会(YAS)」の開催を当初予定の8月1日から1週間ほど前倒しする可能性があることも明らかにした。「短期間のうちに新しい構造になり、それとともに軍に新たな血が送り込まれる」と語った。
クーデター未遂事件によって憲法を改正して大統領の権限を強化する計画が狂ったのではないかとの質問に対しては、直接の回答を避けながらも、「より限定的な」憲法改正なら野党の合意も得られる可能性あるとの考えを示した。
3カ月間としている非常事態宣言については、必要であれば延長するのに何の障害もないとの考えを示した。非常事態宣言の発効により、政府はクーデターに関与した疑いのある人物の拘束が容易になる。大統領の権限が拡大し、議会を通さずに閣議で新たな政令を発布することができる。国民の基本的な権利や自由も制限される。
エルドアン大統領によると、15日から16日にかけて軍の一部が試みたクーデターでは、首謀者を除いて246人が死亡、2185人が負傷したという。