ニュース速報

ワールド

EU、不法移民規制でトルコと合意 状況は依然不透明

2016年03月19日(土)05時25分

3月18日、EUはブリュッセルでトルコのダウトオール首相と首脳会議を開き、欧州に流入する不法移民の規制で合意した。難民や移民の多くが利用する、トルコからギリシャに渡るルートの遮断が目的だが、合法なのか、また実際に運用が可能なのか、状況は不透明なままだ。写真は17日、ブリュッセルで(2016年 ロイター/Francois Lenoir)

[ブリュッセル 18日 ロイター] - 欧州連合(EU)は18日、ブリュッセルでトルコのダウトオール首相と首脳会議を開き、欧州に流入する不法移民の規制で合意した。難民や移民の多くが利用する、トルコからギリシャに渡るルートの遮断が目的だが、法律的に合法なのか、また実際に運用が可能なのか、疑問の声も根強く、状況は不透明なままだ。

チェコのソボトカ首相はツイッター上で「トルコとの合意が承認された。トルコからギリシャに渡る不法移民は3月20日以降、全員送還される」と述べた。トゥスクEU大統領もトルコと全会一致で合意したことを確認した。

今回の合意を踏まえ、トルコはギリシャに不法に到着したシリア人を含む難民や移民全員の送還を受け入れる。代わりにEUはシリア難民数千人をトルコから直接受け入れるほか、トルコへの支援金も拡大させる。

20日以降ギリシャに到着した移民は、登録が完了し、個別の難民申請手続きが開始した時点でトルコへの送還対象となる。送還は4月4日から実施され、シリア難民の再定住も同時に開始される。

EUは、トルコに滞在する難民への支援金30億ユーロの支払いを加速させるとともに、2018年までに支援金を倍に増やすことでも合意した。

こうしたなか、メルケル独首相は今回の合意について「法律上、乗り越えなければならない大きな課題があり、さらなる後退は避けれられないと思う」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

韓国検察、尹大統領を戒厳令巡る内乱首謀罪で起訴 現

ワールド

WHO再加盟検討も、トランプ氏が集会で言及

ワールド

トランプ氏、政府機関の監察総監を一斉に解任 法律違

ビジネス

トランプ氏、TikTok買収で複数人と交渉 30日
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 2
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」で記録された「生々しい攻防」の様子をウクライナ特殊作戦軍が公開
  • 3
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが物議...事後の悲しい姿に、「一種の自傷行為」の声
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    「1日101人とただで行為」動画で大騒動の女性、アメ…
  • 6
    「ハイヒールを履いた独裁者」メーガン妃による新た…
  • 7
    ネコも食べない食害魚は「おいしく」人間が食べる...…
  • 8
    軍艦島の「炭鉱夫は家賃ゼロで給与は約4倍」 それでも…
  • 9
    「後継者誕生?」バロン・トランプ氏、父の就任式で…
  • 10
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵を「いとも簡単に」爆撃する残虐映像をウクライナが公開
  • 3
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ人の過半数はUSスチール問題を「全く知らない」
  • 4
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 5
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 6
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 7
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 8
    いま金の価格が上がり続ける不思議
  • 9
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピ…
  • 10
    軍艦島の「炭鉱夫は家賃ゼロで給与は約4倍」 それでも…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 6
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 7
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    地下鉄で火をつけられた女性を、焼け死ぬまで「誰も…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中