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独州議会選で与党失速、各方面から首相に政策転換求める声
3月14日、ドイツ国内3州で行われた議会選挙で、難民受け入れに寛容な姿勢を示すメルケル首相(写真)の保守陣営が失速したことを受け、首相に政策転換を求める声が上がっている。(2016年 ロイター/Fabrizio Bensch)
[ベルリン 14日 ロイター] - ドイツ国内3州で行われた議会選挙で難民受け入れに寛容な姿勢を示すメルケル首相の保守陣営が失速する一方、反移民を掲げる右派政党が躍進したことを受け、首相に政策転換を求める声が上がっている。
首相率いるキリスト教民主同盟(CDU)は、バーデン・ビュルテンベルク州、ラインラント・プファルツ州、ザクセン・アンハルト州の3州すべてで後退。一方、反移民を掲げる「ドイツのための選択肢(AfD)」はザクセン・アンハルト州で第2党となり、他の2州でも躍進した。
14日付のハンデルスブラット紙は第1面で、「警鐘」との文字の上に、CDUと社会民主党(SPD)を示す重しをメルケル首相が支えている風刺画を掲載。難民危機対応などについて「単に同じ道を進むことは選択肢ではない」と論説で指摘した。
CDUの姉妹政党であるキリスト教社会同盟(CSU)の指導者ホルスト・ゼーホーファー氏は、選挙での保守陣営低迷の背景には首相の難民対応があると指摘。またCSUのAndreas Scheuer氏は、難民と移民の流入を制限するための有効な早期解決策が必要だとの見解を示した。
ドイツ中小企業連盟(BVMW)のマリオ・オーホーフン会長は、AfDの躍進が政策転換を引き起こすとの考えを示し、難民対応でメルケル首相が現在の姿勢を変えなければ、AfDがさらに勢いを増すだろうと述べた。