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ASEAN拡大国防相会議、共同宣言見送り 南シナ海で米中対立
11月4日、マレーシア、東南アジア諸国連合の加盟国と日米中豪などによるASEAN拡大国防相会議が開催された。共同宣言が取りまとめられる予定だったが、南シナ海への言及をめぐり米中が対立し、宣言の採択は見送られることとなった。写真は中国が人工島を造成したスプラトリー諸島スビ礁の衛星写真。9月撮影。提供写真(2015年 ロイター/CSIS Asia Maritime Transparency Initiative/DigitalGlobe)
[クアラルンプール 4日 ロイター] - マレーシアで4日、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国と日米中豪などによるASEAN拡大国防相会議が開催された。共同宣言が取りまとめられる予定だったが、南シナ海への言及をめぐり米中が対立し、宣言の採択は見送られることとなった。
議長国であるマレーシアの当局者は共同宣言見送りの理由は明らかにしていない。修正されたスケジュールでは共同宣言の署名が削除された。
米国防当局の高官は、中国が東南アジア諸国に対し、共同宣言で南シナ海をめぐる懸念に関する記述を盛り込まないよう働きかけたとし、「当然ながら、多くのASEAN加盟国は不適切だと感じた」と述べた。また、「南シナ海での中国の埋め立て作業と軍事化という重要な問題に言及しない共同宣言を発表するよりは、宣言を見送る方がまだ良い」との見解を示した。
一方、中国国防省は公式ミニブログで、共同宣言見送りの責任は東南アジア以外の「一部の国」にあるとし、米国と日本を暗に批判。これらの国が「共同宣言に無関係の内容を盛り込もうとした」と述べた。