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加工肉に大腸がんリスク、WHO専門機関が報告
10月26日、世界保健機関の専門組織、国際がん研究機関は、ホットドッグ、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉が大腸がんのリスクを高めるほか、赤身肉も同様のリスクがあるとのリポートを発表した。写真は、店頭のソーセージ、2月撮影(2015年 ロイター/Eduard Korniyenko)
[パリ/シカゴ 26日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)の専門組織、国際がん研究機関(IARC)は26日、ホットドッグ、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉が大腸がんのリスクを高めるほか、赤身肉も同様のリスクがあるとのリポートを発表した。
赤身肉の消費と膵臓および前立腺がんには因果関係があるとも指摘した。
IARCは、加工肉は「人体にとって発がん性をもつ」とし、たばこやアスベスト同様、がんとの因果関係を示す「十分な根拠が」認められる「グループ1」に分類した。
リポートによると、毎日摂取する場合、50グラムの加工肉(ホットドッグ1本、ベーコンスライス2枚に相当)を食べるごとに、大腸がんの発症リスクが18%上昇する。
赤身肉は「恐らく発がん性がある」とされる「グループ2A」に分類。具体的には、牛肉、ラム肉、豚肉など哺乳類の肉には発がん性を示す「限定的な根拠」がみられると指摘した。ほかには除草剤成分の1つであるグリホサートなどが同じグループに分類されている。
ただ、IARCは同じグループに分類された物質ごとの発がんリスクの高さを比較していないため、肉を食べることが喫煙と同様に危険だと指摘されたわけではない。
リポートは、22人の専門家が今月、800の研究結果を分析したもの。
IARCのカート・ストレイフ博士は声明で「個人においては加工肉の消費による発がんリスクは依然低い。しかし、肉の消費量に比例してリスクは上昇する」と述べた。
オックスフォード大学のティム・キー教授は、医療界では長らく、赤身や加工肉と直腸・結腸ガンの間に因果関係がある可能性が指摘されてきたとし、文書で「ときどきベーコンサンドイッチを食べても大きな害はない。健康な食事は程度の問題だ」と述べた。
リポートを受け、動物の権利擁護団体が菜食ダイエットのスターターキットを無料で配る一方、精肉業界からは肉は必要なたんぱく質やビタミン、ミネラルを提供しており、「リポートは常識を欠いている」などの批判が出ている。
一部科学者や研究者はIARCリポートについて、健康のためにはこれらの肉類の消費を制限すべきとの長年の助言に、大きく付け加えられたものは何もないとの見方を示している。