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北朝鮮の砲撃に韓国が応射、宣伝放送めぐり軍事境界線付近で
8月20日、韓国軍は北朝鮮に向けて数十発の砲弾を発射した。写真は板門店の北朝鮮兵士。昨年7月撮影(2015年 ロイター/KIM HONG-JI)
[ソウル 20日 ロイター] - 韓国軍は20日、北朝鮮に向けて数十発の砲弾を発射した。北朝鮮が同日、韓国側に砲撃したことに反撃した。韓国は10日から南北軍事境界線付近で北朝鮮を批判する放送を拡声器で流し続けており、北朝鮮が反発していた。
韓国による反撃の後、北朝鮮からの攻撃はない。ただ、韓国国防省によると、宣伝放送を48時間以内に停止しなければ軍事行動を起こすとする書簡を送ってきたという。
韓国統一省によると、北朝鮮は韓国を攻撃した直後の20日夕に別の書簡を送付し、宣伝放送を宣戦布告として捉えるとしながらも、事態の解決に向けて努力する意思があるとも表明した。
韓国軍当局者は放送を続ける意向を示している。
韓国軍によると、北朝鮮の攻撃は2回で、1回目は午後3時52分(グリニッジ標準時午前6時52分)に14.5ミリの高射砲1発が発射され、2回目は午後4時15分に76.2ミリの直射砲が数発発射された。韓国側の被害やけが人は報告されていない。
韓国政府の報道官によると、朴槿恵大統領は軍高官に対して「(挑発には)断固対応せよ」と指示した。韓国軍は155ミリ砲弾で反撃し、最高レベルの警戒態勢を取っている。韓国国防省は「わが軍は監視体制を強化し、北朝鮮軍の動きを注視している」とのコメントを出した。
北朝鮮の国営メディアは、この交戦について報じていない。こうした事案で北朝鮮のメディアは通常すぐには反応しない。
韓国国防省によると、北朝鮮の最初の砲撃はソウルの北約60キロ(35マイル)の非武装地帯(DMZ)西側部分に着弾した。DMZ近隣の韓国側住民800人近くが避難を命じられた。
南北間の交戦は昨年10月以来。この時は韓国軍が境界線に近づいた北朝鮮の将兵に警告射撃を実施し、北朝鮮側が応射した。交戦は10分ほどで死者は出なかった。
今月上旬になってDMZ内で地雷が爆発し、韓国兵2人が負傷したことで、両国間の緊張がにわかに高まった。韓国は北朝鮮が地雷を埋設したと主張し、報復として2004年以来となる宣伝放送を再開した。北朝鮮は地雷について否定している。
北朝鮮は15日になって、放送を止めるように韓国に要求。続ける場合は軍事行動を起こすと主張した。17日には北朝鮮としての宣伝放送を始めた。
米軍と韓国軍は年次合同軍事演習を17日から開始する中で、今回の交戦は起きた。北朝鮮は合同演習について戦争の準備だと非難している。
1950─53年の朝鮮戦争は平和条約ではなく休戦協定で終わっており、南北両国は事実上の戦争状態にある。
砲撃の報道を受けて韓国ウォンは先物取引で値下がりした。報道は現物取引が終了した後だった。中心限月1月物は、1ドル=約1189.8から1192.7ウォンまで上昇した。
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