トランプ氏、自動車関税の負担軽減へ大統領令 供給網回帰へ猶予

トランプ米大統領は29日、自動車・部品関税の負担を軽減する大統領令に署名した。4月29日撮影(2025年 ロイター/Leah Millis)
David Lawder Andrea Shalal Kalea Hall
[ワシントン/デトロイト 29日 ロイター] - トランプ米大統領は29日、自動車・部品に対する25%の関税について、控除や他の関税の免除を通じて負担を軽減する大統領令に署名した。
米国で組み立てられた車両の価値の最大15%相当を輸入部品に対する関税の控除として適用することが可能になり、供給網の国内回帰を進める時間を確保する。
トランプ氏は、この措置は自動車メーカーが米国内での生産を増やす間の「小さな救済策」になるとし、「われわれは支援したいだけだ。部品が調達できない場合に罰則を与えるようなことはしたくなかった」と述べた。
負担軽減措置はラトニック商務長官が先に発表していた。
部品に対する関税について、自動車メーカーは1年目に米国内で生産する車両の販売価格の約3.75%、2年目は2.5%相当が還付される。その後、同措置は段階的に終了する。
トランプ氏が自動車と部品への関税を発表して以来、業界幹部らは数週間にわたり政権に対し激しいロビー活動を展開してきた。
ホワイトハウスは今回の措置について、自動車・部品に対する25%の関税には影響しないと述べた。
トヨタ自動車や独フォルクスワーゲン(VW)、現代自動車など外国自動車メーカー9社を代表する団体「オート・ドライブ・アメリカ」は、トランプ氏の大統領令はある程度の救済策になるものの、「米自動車産業の活性化にはさらなる対策が必要だ」と訴えた。
カナダ商工会議所のキャンディス・レイン最高経営責任者(CEO)は関税の修正では深く統合された北米産業における企業のニーズは満たされないと指摘。
「関税の撤廃だけが真の救済策となる。継続的な変更は不透明な状況の長期化につながり、カナダと米国両国にとってビジネスを遠ざけることになる」と声明で述べた。