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世界経済の分断、最大の市場リスク=ノルウェー政府系ファンドCEO

2025年04月29日(火)11時51分

 ノルウェー政府年金基金を運用するノルウェー中央銀行の投資管理部門のタンゲン最高経営責任者は、世界経済の分断が進んでおり、市場にとって最大のリスクになるとの見方を示した。オスロで撮影(2025年 ロイター/Gwladys Fouche)

Gwladys Fouche

[オスロ 28日 ロイター] - 世界最大級の政府系ファンド、ノルウェー政府年金基金を運用するノルウェー中央銀行の投資管理部門(NBIM)のタンゲン最高経営責任者(CEO)はこのほどロイターに対し、世界経済の分断が進んでおり、市場にとって最大のリスクになるとの見方を示した。分断は低成長とインフレ加速をもたらすという。

タンゲンCEOは、現在金融市場にとって最大のリスクは何かとの質問に対し、デカップリング(分断)と回答。同ファンドによる、世界経済の分断を想定したストレステストのシナリオを示した。

CEOは「このような世界のデカップリングは非常にネガティブなシナリオだ」と述べ、具体的には「実際の戦争や冷戦、貿易戦争、ハイテク戦争がある。超大国間の大きな摩擦だ」と指摘。「経済成長の減速、インフレ圧力の高まりと不確実性の増加を招く」と説明した。

現在はそのようなシナリオになっているかとの問いに、「そのようだ」と断言した。 ストレステストのシナリオによれば、「分断化した世界」では同ファンドの運用資産価値が最大で3割強減少する可能性がある。

ロイター
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