FRB、金利維持し一段の情報待つ必要 不確実性踏まえ=クリーブランド連銀総裁

米クリーブランド地区連銀のハマック総裁は、不確実性を踏まえ、FRBは金利を維持し、次に何をすべきか判断する前により多くの情報を集める必要があるという認識を示した。昨年8月、ジャクソンホールで撮影(2025年 ロイター/Ann Saphir/File Photo)
[16日 ロイター] - 米クリーブランド地区連銀のハマック総裁は16日、米経済を巡るかなりの不確実性を踏まえ、連邦準備理事会(FRB)は金利を維持し、次に何をすべきか判断する前により多くの情報を集める必要があるという認識を示した。
ハマック総裁は「FRBの二大責務の双方が圧力にさらされることが予想される中、さらなるインフレの高止まりと労働市場の減速から生じるリスクのバランスを取るために、金融政策を据え置く強い根拠がある」と述べた。
さらに「明確さが得られにくい時は、追加のデータを待つことが今後の道筋を把握するのに役立つ」とし、政策を変更しないことも「積極的な選択」とした。
関税引き上げなど、米貿易体制の大きな変化が不確実性を高め、どのようなFRBの金融政策が必要かを判断することを困難にしていると述べた。
また、インフレが2%の目標を上回っている状況を踏まえると、現在の金融政策は適切という認識を示した。
同時に「見通しを巡る不確実性は高い」と強調。「FRBの二大責務の両面にリスクが存在し、短中期的にインフレ高進と成長や雇用の伸び鈍化につながる可能性がある」とし、「金融政策が対処するのが難しい一連のリスクだ」と述べた。
FRBは、金利変更において性急かつ誤った対応をするよりも、政策対応を的確に行うために時間をかけることが重要とした。
また、成長が「鈍化」しインフレが緩和すれば、利下げは正当化される可能性があるとした。しかし、労働市場が持ちこたえ、インフレが上昇すれば、「金融政策はより引き締め的な軌道をたどる必要がある可能性がある」とも述べた。
その上で、インフレの高止まりと雇用率の鈍化がFRBにとって「難しいトレードオフ」になるという見解を示した。
ハマック総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)で投票権を持っていない。