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スイス銀行協会、UBSの国外移転招く規制を実施しないよう当局に警告

2025年04月14日(月)13時28分

 スイス銀行協会(SBA)は11日、スイスの規制当局が6月上旬に発表予定の銀行規制の厳格化案を巡り、同国金融大手UBSの国外移転を招くような過剰な規制を実施しないように警告した。写真はスイスのルツェルンにあるUBS支店、昨年6月撮影(2025年 ロイター/Denis Balibouse)

[チューリヒ 11日 ロイター] - スイス銀行協会(SBA)は11日、スイスの規制当局が6月上旬に発表予定の銀行規制の厳格化案を巡り、同国金融大手UBSの国外移転を招くような過剰な規制を実施しないように警告した。UBSが救済した旧クレディ・スイスの2023年の経営危機を教訓とし、規制当局は銀行に課す自己資本をどれだけ上積みするのかを検討している。

UBSはスイスから移転する計画はないとしている。一方、同社に詳しい関係者によると規制の動向次第では買収の標的になりかねないという懸念があり、本社の国外移転も含めたあらゆるシナリオを検討している。

UBSは十分な資本を保有しており、過度な自己資本規制が導入されればライバル企業と比べて不利になり、スイスの金融分野の競争力を損なうことになるとけん制している。

SBAは今年3月、新たな資本規制が過度に厳しい内容になれば、UBSの撤退を促す恐れがあると言及。SBAは銀行業がスイス経済にもたらした恩恵についてまとめた報告書で、スイスは国際競争力のある金融分野を維持する必要があるとし、UBSが撤退すれば「中期的に深刻な結果をもたらす恐れがある」と警鐘を鳴らした。

その上で「グローバルな事業活動を重視せず、規制や経済面で欧州連合(EU)を重視する戦略は、特に世界の成長地域での銀行分野の活動の恩恵が全くなく、大きな不利益をもたらす恐れがある」と指摘。スイスの金融分野が衰退した場合には経済活動や雇用に打撃を与え、財政を圧迫し、企業融資が制約されるようになる恐れがあると訴えた。

ロイター
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