車載電池ノースボルト、スウェーデンでも破産申請 欧州自動車業界に打撃

スウェーデンの電気自動車(EV)用電池メーカー、ノースボルトは12日、スウェーデンで破産申請したと発表した。ポーランドの施設で10月撮影。(2025年 ロイター/Marie Mannes/File Photo)
Marie Mannes
[ストックホルム 12日 ロイター] - スウェーデンの電気自動車(EV)用電池メーカー、ノースボルトは12日、スウェーデンで破産申請したと発表した。スウェーデン企業の破綻としては過去最大級で、EV向け電池でアジア勢に対抗し得る欧州企業が消えることになる。
ノースボルトは資金繰りの悪化で昨年11月に米国で連邦破産法11条の適用を申請した。
従業員数は5000人以上。「現在の形態を継続するために必要な財務条件を確保できなかった」と声明で述べた。
ノースボルトは、独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)(21%)、ゴールドマン・サックス(19%)などを大株主に持つ。欧州自動車業界は、寧徳時代新能源科技(CATL)や比亜迪(BYD)といった中国の電気メーカーへの依存度を下げるためにもノースボルトに期待していた。
ノースボルトの経営危機を受け、同社と供給契約を結んでいたポルシェは代替調達先を検討し始めた。
ポルシェとVWの最高経営責任者(CEO)であるオリバー・ブルーメ氏は記者会見で「欧州に優れた電池開発会社が必要だと確信している」と述べた。
トラックメーカーのスカニアは今週、バッテリーセルについて、ノースボルトとの契約に加え、新たな調達先を手配したと発表した。
BMWは、2020年に締結したバッテリーセルの長期供給契約をノースボルトが履行しなかったとして昨年6月に20億ドルの発注をキャンセルした。