午後3時のドルは147円前半で売買交錯、一時5カ月ぶり安値

3月11日、午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤とほぼ変わらずの147円前半で取引されている。2022年撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Shinji Kitamura
[東京 11日 ロイター] -
午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤とほぼ変わらずの147円前半で取引されている。米金利の低下などを受けて、一時146円半ばへ下落して約5カ月ぶり安値を更新する場面もあったが、その後は切り返した。
ドルは午前の取引で一時146.54円まで下落し、昨年10月4日以来の安値を付けた。トランプ政権の関税政策の不透明感、景気への悪影響などを懸念する声が上がる中、ドルは全般弱含みが続いており、7日に対米ドルで4カ月ぶり高値を更新したユーロも1.08ドル半ばで底堅さを保った。
オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)外国為替・コモディティ営業部の 町田広之ディレクターは「資金逃避で米債に買いが集まっている」と指摘している。第1次トランプ政権下の2019年、米中貿易戦争による景気悪化に先手を打つため、予防的利下げを実施した経緯もあるとして、インフレより景気の方を重くみて利下げを実施するのではないかとの見方があり、米金利が低下し、ドルを押し下げていると話した。
この日アジア時間の取引で、米2年債利回りは一時3.82%付近と5カ月ぶり水準へ低下。10年債利回りも一時4.15%付近と、今月4日につけた5カ月ぶり低水準へ迫った。
しかし米金利の低下が一服となると、午後にドルは147円台へ値を戻した。すでに短期筋の円買いポジションは過去最大級に膨らんでいるため「見直しの円売りが入りやすい」(国内証券アナリスト)面もあるという。
米商品先物取引委員会(CFTC)がまとめたIMM通貨先物の非商業部門の取組状況によると、投機筋の円買いポジションは4日時点で13万枚超と再び過去最高を更新していた。
ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円
午後3時現在 147.22/147.23 1.0838/1.0839 159.57/159.58
午前9時現在 147.07/147.09 1.0838/1.0841 159.42/159.43
NY午後5時 147.26/147.28 1.0832/1.0836 159.55/159.59