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日産きょう取締役会、内田社長の交代協議 役員2割削減へ

2025年03月11日(火)07時12分

 3月11日、日産自動車は取締役会を開き、役員の削減など新たな経営体制を協議する。横浜の本社で2月13日撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Maki Shiraki

[東京 11日 ロイター] - 日産自動車は11日に取締役会を開き、役員の削減など新たな経営体制を協議する。複数の関係者によれば、業績悪化の責任を問われている内田誠社長の退任は濃厚で、焦点は退任のタイミングと後任人事。後任として名前が挙がっている現役員らにも経営責任を問う声があり、議論がまとまらない可能性もある。

日産は執行役員制度を廃止し、社外取締役を含む現在60人超の役員規模を2割削減する。トップ人事も議論する見通しで、同関係者らによると、業績悪化を招いた内田社長の責任は重く、退任は避けられないとの見方が多い。自身も2月13日の決算会見で、「内田はもう必要ないと言われれば、(社長に)しがみつくことはない」と述べていた。

内田氏は2019年12月、中国事業のトップを経て社長に就任。カルロス・ゴーン元会長が18年に金融商品取引法違反の容疑で逮捕されて社内が混乱し、業績不振が続く中で誕生したのが内田体制だった。内田社長はこれまで複数の事業計画を立ててきたが、業績予想などの下方修正も多く、抜本的な業績改善には至っていない。昨年末から進めていたホンダとの経営統合の協議もまとまらなかった。

複数の関係者によれば、後任には最高財務責任者(CFO)のジェレミー・パパン氏、最高企画責任者のイヴァン・エスピノーサ氏らの名前が浮上している。しかし、両氏とも現体制の役員で、「従業員を含めステークホルダー(利害関係者)が納得するかどうか分からない」と関係者の1人は話す。

パパン氏は1月にCFOに就くまで北米事業のトップを務め、エスピノーサ氏はここ数年、商品企画の担当役員だった。日産の業績が悪化した最大の要因の1つは北米市場で、需要の高いハイブリッド車を投入しておらず在庫が積み上がり、値引き販売を迫られた。

複数の関係者によると、日産は6日、取締役12人のうち5人(うち社外取締役は4人)で構成する「指名委員会」を開き、11日の取締役会に提示する人事案を議論した。だが、有力な後任候補がいない中、同委員会では内田氏の進退について決められず、取締役会に持ち越された、と関係者は話す。このため、暫定的な社長を置くという方法が模索されるほか、内田社長が続投するという選択肢も残る。

日産は世界で9000人、生産能力を2割削減するとした再生計画の詳細を詰めており、関係各所との調整が間に合えば、役員数の削減とともに生産体制の見直しを発表する可能性もある。2月に3工場の閉鎖を公表したが、具体名はタイの第1工場しか明らかにしていない。。

ロイター
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