英インフレ加速、長期的物価圧力につながる公算小=マン中銀政策委員

イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会のマン委員(写真)は6日、インフレ率の上昇が英経済における長期的な物価問題につながる可能性は低いとの見方を示した。写真は英マンチェスターで2023年1月撮影(2025年 ロイター/Phil Noble)
Suban Abdulla
[ロンドン 6日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会のマン委員は6日、インフレ率の上昇が英経済における長期的な物価問題につながる可能性は低いとの見方を示した。また、世界的なボラティリティーにより、利下げを段階的に行うアプローチの妥当性が弱まっているとした。
ニュージーランド(NZ)準備銀行(中銀)主催の会議での講演原稿で「賃金・価格設定者はインフレ率の一時的上昇を転嫁するよりも、吸収しなければならない可能性が高い」と述べた。
英中銀はエネルギー価格、水道料金、バス料金の上昇による単発的な影響により、消費者物価指数(CPI)上昇率が現在の3%から第3・四半期に3.7%前後に加速すると予想している。
マン氏は中銀政策委員の大半が好む段階的な利下げのアプローチについて、最近の世界市場のボラティリティーを受け、もはや必要ないとの見方を示した。
中銀が漸進主義を取った当初の理由は債券市場の大幅変動を回避するためだったという。
ただ、債券価格はここ数カ月、米国の経済政策や他国の反応を巡る不透明感から大きく変動している。
マン氏は「国際的な影響が英国の国内データや金融政策措置からのシグナルより優勢になっている」とし、「金融市場、特に国境を越えた影響によるボラティリティーが大きくなる中、金融政策を巡る漸進主義的アプローチの前提はもはや妥当ではない」と述べた。
マン氏は英中銀が2月に政策金利の25ベーシスポイント(bp)引き下げを決定した際、50bp引き下げを主張した2委員の1人。