パナマ運河重要港湾の運営権、香港企業がブラックロックなどに売却

パナマ運河の重要港湾の運営権を持つ香港企業ＣＫハチソン・ホールディングス（長江和記実業）は３月４日、資産運用世界最大手の米ブラックロックが主導する投資家連合に、この運営権を売却することで合意した。写真はＣＫハチソンが投資家連合に売却する、パナマ運河の太平洋側の入り口にあるバルボア港付近で４日撮影（２０２５年　ロイター/Enea Lebrun）

［４日　ロイター］ - パナマ運河の重要港湾の運営権を持つ香港企業ＣＫハチソン・ホールディングス（長江和記実業）は４日、資産運用世界最大手の米ブラックロックが主導する投資家連合に、この運営権を売却することで合意した。

中国系企業がパナマ運河へ影響力を及ぼしていることを懸念するトランプ米政権の外交的な圧力が働いた面もありそうだ。

ＣＫハチソンが投資家連合に売却するのは、パナマ運河の太平洋側の入り口にあるバルボア港と大西洋側の入り口のクリストバル港を運営するパナマ・ポーツ・カンパニーの株式９０％と、２３カ国で４３カ所の港湾を運営するＣＫハチソン傘下企業の持ち分の８０％。総額は２２８億ドルに上る。

事情に詳しい関係者の話では、ブラックロックはホワイトハウスと米議会指導部にこの取引内容を説明したもよう。ブラックロックにとっては過去最大規模のインフラ投資になるという。

ＣＫハチソンは上場企業で中国政府と直接的な財務上のつながりはない。ただ香港企業は中国政府の監督下に置かれている。

米政府内や議員の間では、ＣＫハチソンがバルボア港とクリストバル港を押さえていることは安全保障面のリスクだとの声が広がっていた。

パナマ運河の他の港湾は米国や台湾、シンガポールの企業が運営している。

米国務省、ホワイトハウス、国家安全保障会議（ＮＳＣ）、パナマ政府はいずれもコメント要請に回答がなかった。