OPECプラス、トランプ政権の制裁措置で4月の生産方針決定が複雑に

石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の関係者8人は、原油市場を巡って強弱材料が入り交じっていることが4月の生産方針決定を極めて複雑にしていると明らかにした。写真は、石油採掘施設のシルエットとOPECのロゴ。2023年10月、ボスニア・ヘルツェゴビナのサラエボで撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Alex Lawler Olesya Astakhova Ahmad Ghaddar
[ロンドン/モスクワ 27日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の関係者8人は、原油市場を巡って強弱材料が入り交じっていることが4月の生産方針決定を極めて複雑にしていると明らかにした。トランプ米大統領がベネズエラとイラン、ロシアに導入した新たな制裁措置を受け、世界の原油供給状況を把握するのに苦慮していると説明した。
OPECプラスは通常、原油を買い手に配分する時間を確保できるように1カ月前に供給方針を決める。そのため、OPECプラスは3月5―7日までに4月分の生産量を決定する必要があるが、一部の情報筋によるとまだ合意に至っていない。アラブ首長国連邦(UAE)が生産能力増加を活用することに熱心で、ロシアと同じように増産を進めたいと考えているという。これに対し、サウジアラビアを含めた他のメンバーは増産の延期を支持しているとされる。
バイデン米前大統領がロシアへの新たな制裁措置を発動後、1月の原油価格は一時1バレル=82ドルを超え、数カ月ぶりの高値まで上昇。その後はトランプ氏がロシアとウクライナの和平合意を成立させてロシアの原油流入が促進されるとの見方から、一時は1バレル=73ドルまで下落した。
しかし、トランプ氏が打ち出したイランの原油輸出をゼロにする計画や、今週の米石油大手シェブロンのベネズエラでの操業許可取り消しを受け、原油価格がさらに下落する事態を防いでいる。
OPECとサウジアラビア政府の報道担当はコメントの要請に応じなかった。ロシアのノバク副首相の担当者とUAEエネルギー省もコメントの要請にすぐには応じなかった。
OPECプラスは原油価格を下支えするため、2022年以降に世界供給量の約5.7%に相当する日量585万バレルを減産している。昨年12月、減産を25年第1・四半期まで延長することを決めていた。