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ECB利下げ、バランスシート縮小を考慮すべき=チポローネ専務理事

2025年02月19日(水)02時31分

欧州中央銀行(ECB)のチポローネ専務理事は18日、利下げはバランスシート縮小による引き締めの影響を補うはずだと述べ、政策金利を一部が考えるよりも低くする必要があるかもしれないとの認識を示した。2024年7月撮影(2025年 ロイター/Jana Rodenbusch)

[フランクフルト 18日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のチポローネ専務理事は18日、利下げはバランスシート縮小による引き締めの影響を補うはずだと述べ、政策金利を一部が考えるよりも低くする必要があるかもしれないとの認識を示した。

ECBのバランスシートは今後数年間で数千億ユーロ以上縮小する見通しで、2025年だけでも主に国債約5000億ユーロ(5220億ドル)相当の保有債券が削減される予定となっている。

チポローネ氏はメディアのMNIが開催するイベントで「利下げは主に利回り曲線の短期部分に下押し圧力をかけるが、量的引き締めは長期部分に上昇圧力をかける。これは金融環境の引き締めに作用する」と指摘。「適切な均衡をとるためには、バランスシートの縮小によって引き起こされる引き締めを金利決定が適切に補うようにする必要がある」とした。

ECBのバランスシートの最適規模については明言を避け、商業銀行の流動性需要に大きく左右されると述べるにとどめた。その上で、「金融への増幅効果を回避するため、バランスシートのさらなる縮小は緩やかで予測可能な軌道をたどる必要がある」と述べた。

ユーロ圏の経済成長を巡っては、現在の予想よりも弱まるとみられ、潜在成長率を下回る成長を続けインフレに下押し圧力をかける可能性があるとの見方を示した。

しかし、物価下押し圧力の一部はエネルギーコストの上昇によって相殺される可能性があり、消費者物価の見通しは不透明になるとも述べた。

ロイター
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