SUBARU、円安寄与で今期業績上方修正 営業益300億円上振れ

SUBARUは7日、2025年3月期の連結業績予想(国際会計基準)を上方修正した。写真は同社のロゴ。ニューヨークのマンハッタンで2023年4月撮影(2025年 ロイター/David 'Dee' Delgado)
Maki Shiraki
[東京 7日 ロイター] - SUBARUは7日、2025年3月期の連結業績予想(国際会計基準)を上方修正した。円安の影響などにより、営業利益は前年比8.2%減の4300億円となる見通しで、従来予想から300億円上振れる。上方修正後の営業利益予想は、IBESがまとめたアナリスト17人による予想平均値4305億円とほぼ同水準となっている。
今期の想定為替レートは1ドル=153円(従来は149円)、1ユーロ=164円(162円)と円安方向に見直した。新車販売は足元でほぼ計画通りに推移しており、今期計画の95万台を据え置いた。
同社の新車販売は約7割が米国で、現地生産だけでなく、日本からの輸出でも対応している。水間克之最高財務責任者(CFO)は決算会見で、トランプ米政権が発動する可能性のある関税政策の影響について「毎日、情報などが変わってくる」とした上で、「いろいろなシナリオを検討しながら対策を進めている」と述べ、具体的な課税条件などを今後踏まえて「適切に対応していきたい」と語った。
同社は昨年5月、米国で売れ筋のスポーツ多目的車(SUV)「フォレスター」を次期モデルから26年以降に米国でも生産する計画をすでに公表しており、その他の対策については「いろいろな選択肢を検討している」と述べるにとどめた。
水間氏はまた、25年は電気自動車の生産準備に向けて群馬製作所矢島工場(群馬県太田市)の生産ライン2本のうち1本を半年ほど停止すると明らかにした。停止により「約10万台の生産に影響がある」といい、残る国内の2本、米国工場2本のラインで「(減少分の)全部をカバーするのは難しい」ため、どう補えるかを現在検討中と話した。
ただ、25年暦年の米国の小売販売は「24年を上回る67万5000台、市場シェアは4.2%を目指したい」とし、「ラインが停止してもこのレベルは達成できる」との見通しを示した。
同時に、株主還元方針の変更も発表した。これまで30─50%を目安としていた総還元性向を、40%以上に引き上げた。また、配当はDOE(親会社所有者帰属持分配当率)を3.5%とし、配当額が総還元性向を下回る場合には自己株式の取得などで対応する。
株主還元方針の変更を踏まえ、前回予想から19円増配となる1株当たり67円の期末配当も実施する。