ニュース速報
ビジネス

日経平均は続伸、米トランプ関税巡り一時乱高下 

2025年01月21日(火)16時05分

 1月21日 東京株式市場で日経平均は、前営業日比125円48銭高の3万9027円98銭と、続伸して取引を終えた。写真は2020年10月、東京証券取引所で撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Hiroko Hamada

[東京 21日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比125円48銭高の3万9027円98銭と、続伸して取引を終えた。就任式に臨んだトランプ米大統領が高関税政策を見送るとの思惑で朝方の日経平均はしっかりと推移したが、メキシコとカナダへの関税を検討していることが伝わると200円超下落するなど乱高下した。トランプ氏の今後の発言を巡る警戒感もあり、取引一巡後は一進一退の展開が続いた。

日経平均は261円高としっかりでスタートした直後、335円高の3万9238円21銭まで上昇。米国の関税政策強化を巡り、トランプ大統領の就任初日の発動は見送られるとの見方から買いが優勢となった。しかし、メキシコ・カナダからの輸入品に25%の関税を2月1日に課すことを検討していると伝わると、日経平均はマイナス転換し258円安の3万8643円84銭まで下落。朝方買われていた自動車株などが値を消した。

後場は一転して3万8900円近辺を中心に膠着感を強め、値幅は140円程度にとどまった。

株価は朝方大きく動いたものの、大きな波乱は回避されたとして「今週の日銀金融政策決定会合での利上げの可能性が高まった」(国内運用会社・チーフストラテジスト)との声が出ている。

丸三証券の投資情報部長・丸田知宏氏は「トランプ大統領の発言を巡る先行き懸念は残っており、なかなか動きづらい。足元の日経平均は過熱感はなく売られ過ぎという感じもない水準で、しばらくは横ばい圏での動きとなりそうだ」と話す。一方、来週後半から企業の決算発表が本格化するため、「堅調な業績が示されれば上値をトライする流れになる可能性もある」(丸田氏)という。

TOPIXは0.08%高の2713.50ポイントで取引を終了。プライム市場指数は0.08%高の1396.61ポイントだった。東証プライム市場の売買代金は3兆5062億2500万円だった。東証33業種では、その他製品、繊維製品、ゴム製品など23業種が値上がり。石油・石炭製品、鉱業、保険など10業種は値下がりした。

新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.40%安の807.67ポイントと、小幅に反落した。

個別では、ディスコが5%超高、レーザーテック、ソシオネクストがそれぞれ2%超高と、一部のハイテク関連銘柄が堅調に推移した。指数寄与度の大きいファーストリテイリングは1%高、ソフトバンクグループは小幅安だった。主力のトヨタ自動車は小幅高、スズキ、日産自動車は1%超高だった。

プライム市場の騰落数は、値上がり940銘柄(57%)に対し、値下がりが615銘柄(37%)、変わらずが87銘柄(5%)だった。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独ZEW景気期待指数、1月は10.3 予想以上に低

ビジネス

トランプ米政権の政策、銀行は影響を分析 混乱から利

ビジネス

台湾輸出受注、12月20.8%増と3年ぶり伸び率 

ビジネス

ビットコインなど高値から後退、トランプ氏就任初日の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 2
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの焼け野原
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    メーガン妃とヘンリー王子の「山火事見物」に大ブー…
  • 5
    本当に残念...『イカゲーム』シーズン2に「出てこな…
  • 6
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 7
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 8
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 9
    台湾侵攻にうってつけのバージ(艀)建造が露見、「…
  • 10
    身元特定を避け「顔の近くに手榴弾を...」北朝鮮兵士…
  • 1
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 2
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 3
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 4
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 7
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 8
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 10
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中