EUが中国をWTOに提訴 ブランデーの反ダンピング関税巡り
欧州連合(EU)欧州委員会は11月25日、中国がEUからの輸入ブランデーに暫定的な反ダンピング関税を課した措置を不服として、世界貿易機関(WTO)に提訴したと発表した。写真はレミーマルタンの酒類。2019年1月、レミーコアントローのパリ本社で撮影(2024年 ロイター/Benoit Tessier)
[ブリュッセル/北京 25日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は25日、中国がEUからの輸入ブランデーに暫定的な反ダンピング関税を課した措置を不服として、世界貿易機関(WTO)に提訴したと発表した。
EU加盟国が中国製電気自動車(EV)への輸入関税導入を賛成多数が決めた後、中国がこうした反ダンピング関税を発動。フランス政府は先月、欧州委と協力して中国側の動きに異議を申し立てる方針を示していた。
中国商務省は、EUから協議要請を受け取ったと明らかにした上で、WTOのルールに沿って対処すると述べた。「暫定的な反ダンピング関税は国内産業の要望を受け、公正公平な調査を経て中国の法令に基づいて実施しており、WTOのルールと完全に整合的で正当な通商政策手段だ」という。
EUの中でも中国製EVへの関税案を強く支持していたのがフランスで、同国の中国向け蒸留酒輸出規模は非常に大きく、昨年のブランデー輸出額は17億ドルに達した。このため、中国による輸入ブランデーの反ダンピング関税の主な標的はフランスだとみられている。
フランスのマクロン大統領は以前、中国による輸入ブランデーの反ダンピング調査を「純粋な報復だ」と指摘していた。