印財閥アダニ、資金調達に支障も 会長起訴で投資家の視線厳しく
11月22日、インド財閥アダニ・グループのゴータム・アダニ会長が贈賄罪などで米検察当局に起訴されたことを受け、クレジットアナリストからはグループの資金調達に支障が出る可能性があるとの指摘が出ている。写真はアーメダバードのアダニ社屋で21日撮影(2024年 ロイター/Amit Dave)
[22日 ロイター] - インド財閥アダニ・グループのゴータム・アダニ会長が贈賄罪などで米検察当局に起訴されたことを受け、クレジットアナリストからはグループの資金調達に支障が出る可能性があるとの指摘が出ている。すでに疑惑の中心アダニ・グリーン・エナジーは6億ドルの社債売却を取りやめた。
アダニ・グループ企業の株・債券は21日に急落した。22日は株が落ち着きを取り戻す一方、債券は下げ止まらない状況となっている。
調査会社クレジットサイツは、アダニ・グリーン・エナジーのリファイナンスが当面の最大の懸念事項だと指摘する。
格付け会社S&Pグローバル・レーティングは22日、アダニ・グリーン・エナジーなど3社の信用格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。大規模な成長計画を踏まえるとアダニ・グループは資本市場での定期的な資金調達が必要になるが、「国内とともに、一部海外の銀行や債券投資家もアダニをグループととらえており、グループへの投融資を制限するする可能性がある」と指摘した。
一部アナリストは、影響はアダニ・グループにとどまらないとみている。
独立系のアナリストは「今回の問題で、グローバルな気候変動目標の重要な柱であるインドの再生可能エネルギー部門に対する各国からの投資が減少する恐れがある。投資家は、より高い透明性とデューデリジェンスを要求し、プロジェクト融資のペースを落とす可能性がある」と述べた。
投資家は、会長起訴による事業への影響に注目している。ケニアのルト大統領は21日、首都ナイロビの国際空港の運営に関するアダニ・グループとの契約手続きの停止を命じたと発表した。