米10月PPI、前年比2.4%上昇 伸び加速し予想上回る
米労働省が14日発表した10月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年比2.4%上昇した。写真は2022年8月、ワシントンDCのスーパーで撮影(2024年 ロイター/Sarah Silbiger)
[ワシントン 14日 ロイター] - 米労働省が14日発表した10月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年比2.4%上昇した。伸びは前月の1.9%から加速し、市場予想の2.3%を上回った。
13日に発表された10月の米消費者物価指数(CPI)も前年比2.6%上昇と、伸びが加速しており、インフレ抑制に向けた進展の失速を改めて示唆する内容となった。
ただ、米連邦準備理事会(FRB)が12月に追加利下げを実施するという観測を変えるには至っていない。
PPIの前月比は0.2%上昇で、予想と一致。9月は当初発表の変わらずから0.1%上昇に上方改定された。
キャピタル・エコノミクスの北米担当デピュティチーフエコノミスト、スティーブン・ブラウン氏は「今週発表されたインフレデータは、インフレ圧力がFRBの想定以上に強いことを示唆している」と述べた。
サービスの価格は0.3%上昇。9月は0.2%上昇していた。ポートフォリオ管理費が3.6%急伸し、サービス価格全体の伸びの3分の1超を占めた。
航空運賃も3.2%上昇。前月は1.1%上昇していた。
病院の外来診療費は0.6%上昇。前月は横ばいだった。
ポートフォリオ管理費、医療費、ホテルなどの宿泊料、航空運賃などは、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標の1つとして重視する食品・エネルギーを除くコア個人消費支出(PCE)価格指数の算出に含まれる。
モノの価格は0.1%上昇と、前月の0.2%下落からプラスに転じた。食品は0.2%、エネルギー商品は0.3%それぞれ下落した。
食品とエネルギー、貿易サービス部門を除いた狭義のコア指数は、前年比3.5%上昇、前月比0.3%上昇。前月はそれぞれ3.3%、0.1%上昇していた。
CMEのフェドウオッチによると、金融市場が見込む12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%ポイント利下げの確率は約79.1%、金利据え置きの確率は約20.9%。