ニュース速報
ビジネス

ECB、インフレの過度な減速リスク巡り見解の相違=議事要旨

2024年11月15日(金)00時43分

欧州中央銀行(ECB)が14日公表した10月16─17日の理事会の議事要旨で、インフレが過度に減速するリスクを巡り当局者の間で見解が一致していなかったことが分かった。7月撮影(2024年 ロイター/Jana Rodenbusch)

[フランクフルト 14日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が14日公表した10月16─17日の理事会の議事要旨で、インフレが過度に減速するリスクを巡り当局者の間で見解が一致していなかったことが分かった。

ECBは同理事会で、中銀預金金利を0.25%ポイント引き下げ3.25%とすると決定。利下げは今年に入って3回目。9月も同じ幅で金利を引き下げており、2会合連続での利下げは13年ぶりだった。

議事要旨によると、当局者は入手できている新たな情報は限られているとの認識を示しながらも、「現時点で行動を起こすことは、(インフレ率が)目標を下回るリスクに対する保険となり、経済のソフトランディング(軟着陸)を支援することができる」との認識を示した。

同時に「経済活動に関する指標で示されている減速と、インフレの下振れが一時的なものなら、今回の利下げは12月の利下げを前倒ししたにすぎない可能性がある」とし、12月の理事会で利下げを回避できる可能性があるとの見方が示された。

ただ、物価上昇圧力がどの程度弱まっているかを巡り見解の相違があったことも判明。ユーロ圏のインフレ率は従来予測の2025年末より早い時期にECBが目標とする2%に達するとの見方では一致したものの、その後の展開については見解が分かれた。

一部の当局者は、景気後退(リセッション)の領域に入る経済成長の低迷や、金融システムの弱体化など、現時点で存在していない複数の要因が顕在化しない限り、インフレ率が目標を下回ることはないとの見解を示した。

これに対し別の当局者らは、インフレの予想外の下振れと、市場予測の急速な変化を踏まえると、インフレ率が持続的に目標を下回るリスクが増大している可能性があると指摘。目標を上回るリスクより大きなリスクとなっている可能性があると主張した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

CFTC委員長は内部起用を検討、トランプ政権移行チ

ビジネス

NY外為市場=ドル1年ぶり高値、トランプトレード続

ビジネス

英国、自由貿易支持すべき 世界経済の分断化見据え=

ビジネス

米国株式市場=下落、FRB議長発言で年内利下げ期待
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:またトラ
特集:またトラ
2024年11月19日号(11/12発売)

なぜドナルド・トランプは圧勝で再選したのか。世界と経済と戦争をどう変えるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 3
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラッドレー歩兵戦闘車が「戦略的価値を証明」する戦闘シーン
  • 4
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 5
    NewJeansメンバー全員が事務所に最後通告「ミン・ヒジ…
  • 6
    本当に「怠慢」のせい? ヤンキース・コールがベース…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    NewJeansのミン・ヒジン激怒 「似ている」グループは企…
  • 9
    世界中で「キモノ」が巻き起こしたセンセーション...…
  • 10
    トランプ就任前に少しでもウクライナ領土が欲しい!…
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国」...写真を発見した孫が「衝撃を受けた」理由とは?
  • 3
    ロシア陣地で大胆攻撃、集中砲火にも屈せず...M2ブラッドレー歩兵戦闘車が「戦略的価値を証明」する戦闘シーン
  • 4
    「歌声が聞こえない」...ライブを台無しにする絶叫フ…
  • 5
    ウクライナ軍ドローン、1000キロ離れたロシア拠点に…
  • 6
    本当に「怠慢」のせい? ヤンキース・コールがベース…
  • 7
    「遮熱・断熱効果が10年持続」 窓ガラス用「次世代…
  • 8
    NewJeansのミン・ヒジン激怒 「似ている」グループは企…
  • 9
    建物に突き刺さり大爆発...「ロシア軍の自爆型ドロー…
  • 10
    海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「空母化」、米…
  • 1
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 2
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 3
    秋の夜長に...「紫金山・アトラス彗星」が8万年ぶりに大接近、肉眼でも観測可能
  • 4
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 5
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 6
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 7
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 8
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 9
    予算オーバー、目的地に届かず中断...イギリス高速鉄…
  • 10
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中