米ボーイングの格付けを引き下げ方向に 格下げなら投機級に転落
格付け会社S&Pグローバルは10月8日、米大手航空機メーカー、ボーイングの格付けを引き下げ方向のクレジット・ウオッチ(CW)に指定したと発表した。2015年12月、ワシントン州レントンで撮影(2024年 ロイター/Matt Mills McKnight)
[8日 ロイター] - 格付け会社S&Pグローバルは8日、米大手航空機メーカー、ボーイングの格付けを引き下げ方向のクレジット・ウオッチ(CW)に指定したと発表した。現在の同社の格付けは投資適格級で最低水準の「BBBマイナス」となっており、格下げした場合には投機級水準に転落する。
格付けの見通しを変えたのは、ボーイングでの2008年以来となるストライキで損失が膨らみ、航空機の生産とキャッシュフロー(CF)の回復が遅れる恐れがあるため。S&Pを含めた主要格付け会社3社のすべてが、ボーイングの米西海岸の工場でのストが長期化すれば格下げにつながる可能性があると警告していた。
ボーイングの労働組合に加入する従業員約3万3000人がストライキを続けており、4年間で40%の賃上げと、約10年前の労使協約で撤回された確定給付型年金の復活を要求している。
S&Pは、ボーイングで年内に約100億ドルの現金流出が起き、追加の資金調達が必要になる可能性が高いとの見通しを示している。
ボーイングを巡っては、これまでに2件の墜落事故を起こしている主力小型機737MAXで今年1月にドアプラグが飛行中に落下する事故が起き、米規制当局や顧客の航空会社からの厳しい視線が向けられている。
ボーイングは約600億ドルもの負債を抱えており、財務内容が悪化している。
S&Pは8日、737MAXの生産を年内に月産38機へ引き上げる目標が達成されるとは予想していないとも表明。また、今回のストによって毎月10億ドルを超える損失が発生すると予想している。
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