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9月ロイター企業調査:追加利上げは年度内が5割超、実施せず21%

2024年09月12日(木)10時06分

 日銀が追加利上げに踏み切る時期について、企業の30%が年内とみていることが分かった。写真は日銀本店。2023年9月撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)

Ritsuko Shimizu

[東京 12日 ロイター] - 日銀が追加利上げに踏み切る時期について、企業の30%が年内とみていることが分かった。来年1-3月も27%と最多で、合わせて6割近くの企業が来年3月までの利上げが適切と考えている。一方、株安を誘発しかねない追加利上げは「実施しない」との回答も21%に達した。

日銀は7月に政策金利を0.25%程度に引き上げる追加利上げを決めたが、企業からは「評価する」との声が64%となり、「評価しない」の36%を上回った。

調査は8月28日─9月6日。調査票発送企業は506社、回答社数は245社だった。

追加利上げ実施の時期は9月が2%、10月が8%、12月が20%で、年内実施を合計すると30%に達した。早期実施が適切と回答した企業からは「株価も落ち着きを見せ始めたことから、金融正常化に向けて徐々に利上げを進めていくと考える」(窯業)、「自民党総裁選・総選挙後の早いタイミングで必要。一時的な景気影響よりも中長期的な国富の流出に歯止めをかけるべき」(卸売)などの声が出ている。最も多かった来年1―3月期とみる企業からは「7月の利上げの効果は今年中には出ないと思う」(非鉄金属)と、7月利上げの効果を見極めたうえで実施すべきとの指摘があった。

一方、来年度以降、あるいは実施せずと慎重な見方を示す企業からは「利上げや為替介入は、円高と株安を引き起こすので避けるべき」(サービス)と市場への影響を懸念する声が出ている。「追加利上げのメリットを感じない。日本企業の競争力強化には円安が有効であり、利上げにより円高方向への誘導はすべきではないと考える」(電機)との指摘もあった。

資金調達や賃上げなどに影響を及ぼしかねない政策金利の水準については、0.5%が29%、1%が27%などとなった。

<半数近くが「日銀の独立性高めるべき」>

岸田文雄政権に代わって発足する新政権と日銀との関係ついて聞いたところ、「日銀の独立性を高めるべき」が47%で「政府との協力をより深めるべき」の39%を上回った。「政府から独立した組織でなければ物価の安定が確保されないため」(窯業)、「政権への忖度は無くすべき」(輸送用機器)との声が聞かれた。

政府と日銀のアコードを見直すべきは14%。「経済最優先とすべき」(金属)との声がある一方、「現時点で政府と日銀との一定の連携は維持しつつ、長期的に穏当な金融政策へ、またアコードの解消を目指す内容に見直すべき」(機械)などの指摘が出ている。

(清水律子 グラフィック作成:照井裕子 編集:石田仁志)

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