マイナス金利解除後の利上げ、経済状況見て判断=高田日銀委員
2月29日、日銀の高田創審議委員は、滋賀県金融経済懇談会後の記者会見で、マイナス金利解除後も緩和的な金融環境を維持する考えを示した。写真は昨年1月、日銀本店前で撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)
Takahiko Wada
[大津市 29日 ロイター] - 日銀の高田創審議委員は29日、滋賀県金融経済懇談会後の記者会見で、マイナス金利解除後も緩和的な金融環境を維持する考えを示した。実質金利がマイナス圏にある中でも「どんどん利上げするということではない」と述べ、経済状況を毎回の金融政策決定会合で点検しながら「それに合わせた対応を取っていく」とした。マイナス金利解除が3月なのか4月なのかは明言しなかった。
高田委員は午前のあいさつで、経済の不確実性はあるものの「2%物価目標実現がようやく見通せる状況になってきた」と言明した。
会見では、現行の「非常に強い金融緩和」から「もう少し、1段ギアを下げてもいいのではないか」と述べた。
3月の金融政策決定会合で、執行部からマイナス金利解除を提案されれば賛成するかの質問に対しては「その場になって私自身考えてみたい」と発言。決定会合までの間に出てくる追加的な材料も踏まえ、対応を考えていくと説明した。
高田委員は、マイナス金利解除後の利上げパスについて「ターゲットがあって、機械的に対応していくといよりは、あくまでも実際の環境に応じたあるべき水準がどうなのか、毎回毎回考えていくということに尽きる」と語った。
(和田崇彦)