英製造業、今なおブレグジットの弊害と格闘=調査
英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)から3年を経た今でも、英製造業企業の9割がEU域内企業との取引に支障を抱えており、多くの企業は熟練労働者を採用しにくいという問題とも格闘していることが、英製造業団体「メイクUK」が実施した調査で明らかになった。写真は、英・ワシントンにある軍需工場の内部。2023年11月8日に撮影。(2023年 ロイター/Phil Noble)
Suban Abdulla
[ロンドン 6日 ロイター] - 英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)から3年を経た今でも、英製造業企業の9割がEU域内企業との取引に支障を抱えており、多くの企業は熟練労働者を採用しにくいという問題とも格闘していることが、英製造業団体「メイクUK」が実施した調査で明らかになった。
英国はブレグジットに伴い、2020年12月にEUとの間で関税ゼロの貿易を可能にする通商協力協定(TCA)を結んだ。
それでも219社対象の調査では、90%の製造業企業が、ブレグジットに伴う手続きが未だにEUとの貿易の障害になっていると答えた。
メイクUKのスティーブン・フィップソン代表は「英国がEUを離脱して以来、企業はTCAの新たな貿易手続きと、新型コロナウイルスのパンデミックに伴う世界的な混乱が相まって大わらわだ」と述べた。
製造業企業の44%は、EU諸国から熟練労働者を採用しにくいという問題を未だに抱えているとした。英国では幅広い産業が、過去に例を見ない厳しい人手不足に直面している。
メイクUKは、英国はEUと協力して関税手続き書類の簡素化や、英・EU間貿易促進のためのプログラムの導入、EUの労働者へのアクセスを容易にする措置に取り組むべきだと訴えた。