ニュース速報

ビジネス

弱いドルは米国にとって良いこと=ムニューシン米財務長官

2018年01月25日(木)07時40分

 1月24日、ムニューシン米財務長官は、スイスのダボスで開かれている世界経済フォーラムで、ドルの下落を歓迎する姿勢を示した。10日撮影(2018年 ロイター/Carlos Barria)

[ダボス(スイス) 24日 ロイター] - ムニューシン米財務長官は、世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)の記者会見で、「明らかにドル安はわれわれにとり良いことだ。貿易や各種機会に関わるからだ」と述べ、ドル安を歓迎する姿勢を示した。

ムニューシン氏の発言を受けて、ニューヨーク外為市場では、ドル売りが優勢となった。また、トランプ政権が「米国第一主義」の一環として中国などの主要貿易相手国に対して厳しい姿勢を取るとの懸念も高まった。

一方、ホワイトハウスのサンダース報道官は定例記者会見で「われわれは自由変動相場を信じている。トランプ大統領は常に自由変動相場を信じてきた」とし「米経済が現在好調であることが大きな要因となり、ドル相場は非常に安定している」と述べた。

ムニューシン氏は「これは『米国第一』に関する問題だ。ただ、『米国第一』は各国と協力しないという意味ではない」と強調した。

記者会見に同席したロス商務長官は、貿易相手国の不適切な行動が、米国の対応を引き起こしたと主張した。ロス氏は、多くの国は、自由貿易を語っているが、実は非常に保護主義的な行動をとっている、との見方を示した。

ムニューシン氏は、短期的にはドル安傾向を容認する立場を示したものの「より長期のドル高は、米国経済の強さや、準備通貨でドルが主要通貨であり、今後もそうあり続けるということを示している」とも語った。

ムニューシン氏は、環太平洋連携協定(TPP)参加11カ国の合意についての質問には、米国が関与する可能性が無い訳でないと指摘。ただ、「われわれは二国間の貿易協定のファンだ」とも話した。

カナダのトルドー首相は前日、11カ国のTPPについて「正しい合意」と表現した。

ロス氏はトルドー氏の発言について、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の観点で捉える必要があるとの認識を表明。「NAFTA交渉で米国に圧力をかける」ために活用しようという傾きも幾分みられるとの考えを示した。

*内容を追加しました。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

WHO再加盟検討も、トランプ氏が集会で言及

ワールド

トランプ氏、政府機関の監察総監を一斉に解任 法律違

ビジネス

トランプ氏、TikTok買収で複数人と交渉 30日

ワールド

北朝鮮、25日に戦略巡航ミサイルの発射実験 対米強
MAGAZINE
特集:トランプの頭の中
特集:トランプの頭の中
2025年1月28日号(1/21発売)

いよいよ始まる第2次トランプ政権。再任大統領の行動原理と世界観を知る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果が異なる【最新研究】
  • 2
    軍艦島の「炭鉱夫は家賃ゼロで給与は約4倍」 それでも劣悪な労働環境でストライキ頻発、殺人事件も...
  • 3
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 4
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 5
    電気ショックの餌食に...作戦拒否のロシア兵をテーザ…
  • 6
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 7
    ネコも食べない食害魚は「おいしく」人間が食べる...…
  • 8
    「自由に生きたかった」アルミ缶を売り、生計を立て…
  • 9
    「ハイヒールを履いた独裁者」メーガン妃による新た…
  • 10
    「後継者誕生?」バロン・トランプ氏、父の就任式で…
  • 1
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 2
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性客が「気味が悪い」...男性の反撃に「完璧な対処」の声
  • 3
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵を「いとも簡単に」爆撃する残虐映像をウクライナが公開
  • 4
    日鉄「逆転勝利」のチャンスはここにあり――アメリカ…
  • 5
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 6
    煩雑で高額で遅延だらけのイギリス列車に見切り...鉄…
  • 7
    被害の全容が見通せない、LAの山火事...見渡す限りの…
  • 8
    いま金の価格が上がり続ける不思議
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    「バイデン...寝てる?」トランプ就任式で「スリーピ…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のアドバイス【最新研究・続報】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 5
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 6
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 7
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 8
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
  • 9
    地下鉄で火をつけられた女性を、焼け死ぬまで「誰も…
  • 10
    戦場に「杖をつく兵士」を送り込むロシア軍...負傷兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中