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「近い将来」に利上げ正当化される可能性=米FOMC議事要旨
11月22日、米FRBが公表した10月31─11月1日のFOMC議事要旨で、政策担当者の多くが金利を「近い将来」に引き上げる必要があるとの見方を示していたことが分かった。 写真は2016年10月、ワシントンのFRB(2017年 ロイター /Kevin Lamarque)
[ワシントン 22日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が22日公表した10月31─11月1日の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、政策担当者の多くが金利を「近い将来」に引き上げる必要があるとの見方を示していたことが分かった。
FRBは同会合で政策金利の据え置きを決定。議事要旨から、同会合で政策担当者が米経済は力強く成長するとの見方でおおむね一致したほか、一部の政策担当者が企業の投資活性化につながる税制改革法案が議会を通過する公算が大きくなっているとの見方を示したことも明らかになった。
利上げのタイミングを決定するに当たり、さらに多くのデータを見極める必要があるとの見解も一部示されたものの、多くの政策担当者はインフレが現在のような低水準にとどまるには失業率は低過ぎるようにみえるとの見解を示した。
議事要旨は「参加者は労働市場が力強くなっていることに支援され、消費支出は短期的に堅調に伸びるとの予想を示した」とし、「多くの参加者がフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を再び引き上げることが近い将来に正当化される可能性があるとの見方を示した」としている。
FRBは2015年末に金融の引き締めを開始し、これまでに4回利上げしている。現時点で年内にもう1回、18年に3回の利上げをする見通しを示している。
イエレン議長が参加するFOMCは残り少ない。イエレン氏は20日、トランプ大統領が後任に任命したパウエル理事の議長就任に合わせ、理事職も退任すると発表した。イエレン議長の4年間の任期は18年2月に切れる。
議事要旨では、物価が数年にわたりFRBの目標とする2%を下回り続けている理由を議論したことが分かった。この議題はたびたび議論されるようになってきた。ほとんどの参加者が、労働市場の引き締まりを背景に中期的には物価上昇が加速するとの見方で一致した。
ただFOMCの投票権を持つメンバーの中には、物価見通しに懸念を示す者もいた。こうしたメンバーは、利上げの時期を決める前に今後の経済指標をみると主張した。
参加者の何人かは、物価の弱含みが長引いていることを不安視し、こうした時期を補うためにこれまでよりも高い物価を許容する新たな枠組みを検討するべきだとの意見を提示した。
前回のFOMC以来、イエレン議長は物価がFRBの目標に向けて直に持ち直すとの見方を変えてこなかった。ただ21日には、こうした見方について「非常に不確かだ」と述べ、物価が何年間かにわたり弱含み続ける可能性も考慮すると発言した。
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