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英メイ首相、離脱巡りEU交渉官らと16日協議へ 清算金で膠着

10月16日、英国のメイ首相(写真)とデービス欧州連合(EU)離脱担当相は、ブリュッセルで、EUのバルニエ首席交渉官および欧州委員会のユンケル委員長との夕食会に出席し、離脱に関する協議を行う予定だ。写真は11日、ロンドンで撮影(2017年 ロイター/Peter Nicholls)
[ロンドン/ブリュッセル 16日 ロイター] - 英国のメイ首相とデービス欧州連合(EU)離脱担当相は16日、ブリュッセルで、EUのバルニエ首席交渉官および欧州委員会のユンケル委員長との夕食会に出席し、離脱に関する協議を行う予定だ。
同国のEU離脱(ブレグジット)を巡る双方の交渉は膠着(こうちゃく)状態に陥っており、19―20日のEU首脳会議で将来の貿易関係についての協議を始めたい英国の意向が実現する可能性は低くなっている。
首相の事務所は、会議は以前から予定されていたものだと説明したが、詳細については明らかにしなかった。ただ、夕食会はユンケル委員長が13日に公表した予定には入っていなかった。さらにEU幹部らによると、バルニエ交渉官の予定にも入っていなかったという。
バルニエ交渉官は前週、デービス担当相との協議後、英国が離脱に伴い支払う「清算金」の詳細を提示することを拒んだために交渉は暗礁に乗り上げたと説明。バルニエ交渉官はこの結果、EU首脳に対しメイ首相が要求している将来の関係についての協議を開始しないよう求めた。2019年3月の期限までに、交渉が完了しないのではないかとの懸念が強まっている。
ただEU政府は、バルニエ交渉官からの提案を受けて、首脳会議で同交渉官にブレグジット後の移行期間の可能性を探る許可を与えるべきだとの見解で合意した。ただ、英国側とではなくEU内部の協議だけにとどめるという。特にドイツとフランスはこれに反対している。
英国を除くEU加盟27カ国は首脳会議に向け、12日共同声明を公表。バルニエ交渉官に移行期間の可能性を探る許可を与える条件を改めて厳格化した。
英国に対しユンケル委員長が600億ユーロ(700億ドル)程度と主張している清算金以外にも、EUは離脱交渉が「英国に在住するEU市民の権利」と「アイルランドとの国境における取り扱い」について「十分な進展」をしていないとした。EU首脳らは12月のサミット後に交渉が次の段階に進むことを願っていると表明した。
メイ首相の広報官は13日、19日の首脳会議で英国からの財務的提案に関し「もっと言うべきことがある」だろうと述べた。