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米共和党、法人税率20%への引き下げで代替案検討 段階的下げなど
U.S. President Donald Trump speaks about tax reform in Harrisburg, Pennsylvania, U.S., October 11, 2017. REUTERS/Joshua Roberts - RC1585768E80
[ワシントン 12日 ロイター] - 米与党・共和党の議員らは、トランプ大統領が前月公表した税制改革案に盛り込まれた連邦法人税率の20%への引き下げに関し、段階的な下げを含む代替案を検討している。
税制協議に詳しい2人の関係筋によると、下院で税制改革法案を策定する議員らは、法人税率を現行の35%から3─5年間で20%に段階的に引き下げる案を採用する可能性があるという。
トランプ大統領は9月27日に税制改革の枠組みを公表。下院歳入委員会はこれを基にした法案の仕上げに近づいており、段階的引き下げが選択肢として浮上したという。
下院は13日と来週いっぱい、活動が休止状態となる見通し。クリスティ・ノーム下院議員(共和党)は記者団に「われわれは1週間後に戻り、委員会の審議にかけるため法案をまとめる」と述べた。
独立系アナリストらによると、現状の税制改革案は大幅な財政赤字拡大につながるとみられており、これが同案が直面する最大の問題の1つとされている。
米シンクタンク、税政策センターの試算によると、法人税率を初年度から20%に引き下げた場合、税収が10年間で2兆ドル近く減少する見通し。
関係筋によると、下院共和党は段階的な引き下げによって税収の減少分を半減できると考えている。この選択肢に関する詳細は明らかになっていない。
「法人税の統合」
上院共和党は独自の税制改革法案を作成しており、別の代替案が浮上する可能性がある。協議に詳しい関係筋によると、上院共和党は20%を上回る法人税率を盛り込む一方、実質的に20%以下への引き下げを達成できる「法人税の統合」を採用する可能性があるという。
この案は上院財政委員会のオリン・ハッチ委員長が提案したもので、企業が株主に支払う配当について控除を認めることで、法人の税支払い額を削減する狙いがある。
法人税率に関しムニューシン財務長官はCNBCに対し、「大統領は20%への引き下げを求めていることを明確にしている。これは交渉の余地がない項目だ」と強調した。
ブレイディ下院歳入委員長は12日、記者団に対し、「われわれは税制の枠組みに関する取り組みを継続し、20%を上回る法人税率を必ず回避する」と語った。1年目に20%に引き下げるという意味か問われると「全体の構成に向けて取り組んでいる」と述べるにとどめた。