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9月米雇用7年ぶりのマイナス、ハリケーン影響
10月6日、9月の米雇用統計は非農業部門の就業者数が3万3000人減少した。写真はボストンの就職フェア会場で5月撮影(2017年 ロイター/Brian Snyder)
[ワシントン 6日 ロイター] - 米労働省が6日発表した9月の雇用統計は、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月から3万3000人減少した。
雇用がマイナスになったのは2010年9月以来、7年ぶり。市場予想は9万人増だった。ハリケーン「ハービー」と「イルマ」によって失業者が出たほか、採用活動にも遅れが生じた。ハリケーンが第3・四半期の経済活動を抑制したことを示す最新の兆しだ。
労働省当局者は、8月下旬と9月上旬にテキサス州とフロリダ州を直撃したハービーとイルマによって「9月の非農業部門の就業者数が減った」とした。
8月の数字は当初発表の15万6000人増から16万9000人増へ上方改定された。
就業者数の集計方法は、雇用主を調査対象に、12日を含む給与期間中に支払われなかった者を失業者と見なす。
ハリケーンで職を失った者の多くは復職するとみられる。また、向こう数カ月間は復興・清掃活動で雇用の伸びが拡大するだろう。
9月の雇用統計を部門別でみると、民間雇用が4万人減り2010年2月以来の大幅な落ち込みを記録した。娯楽・観光業は11万1000人減と、1939年に調査を開始して以来最大の落ち込みとなった。8月は横ばいだった。製造業は1000人減、小売業は2900人減った。一方、建設業は8000人増加した。
失業率は0.2%ポイント低下の4.2%と、2001年2月以来の低水準まで改善した。ハービーとイルマの影響はなかったもようだ。
失業率の計算方法は各世帯が調査対象だ。標準とする週に働けなかった日があり、結果として給与を支払われなかった場合でも、働いていると見なされる。
労働力が57万5000人増えたものの、世帯雇用数が90万6000人急増して相殺したことを、失業率の低下は反映する。
家計調査によると、9月は悪天候によって150万人が家にいた。1996年1月以来の多さだ。パートタイムで働く人は約290万人で、2014年2月以降で最大となった。
平均週労働時間は横ばいの34.4時間。
ハリケーンによる一時的な失業は小売りや娯楽・観光業など低賃金の産業に集中していた中で、1時間当たり賃金の平均は0.5%(12セント)上がった。8月は0.2%上昇していた。
賃金は年間で2.9%増と、16年12月以来の大幅なプラスとなった。8月は2.7%増だった。
アナリストらによると、米連邦準備理事会(FRB)のインフレ目標である2%を達成するには賃金の年間の伸び率は少なくとも3.0%増となる必要がある。
9月の雇用統計の内容はまちまちだったが、FRBが12月に利上げするとの見方が変わる可能性は低い。
イエレンFRB議長は9月、ハリケーンが9月の雇用の伸びを「著しく」抑制するだろうと警告しながらも、こうした悪影響は「比較的素早く薄れる」だろうとの見通しを示した。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの新興国市場通貨戦略の世界責任者、ウィン・シン氏は「時間当たり賃金の平均が年間で2.9%増と予想を大きく上回ったことは驚き」と指摘した。
「賃金圧力が物価圧力に波及するため、FRBは利上げ継続路線を歩むとみられる。こうした見方は12月の利上げ観測を強め、2018年にかけての見通しに関心が集まるだろう」と予測、今後公表される指標が同様の内容となれば、来年3回の利上げ見通しを市場も信じざるを得なくなるとの見方を示した。
*内容を追加して再送します。