ニュース速報

ビジネス

インフレ率徐々に高まる、「真の夜明け」近づく=日銀副総裁

2017年10月05日(木)23時53分

 10月5日、日本銀行の中曽宏副総裁はロンドンでの講演で、インフレ圧力が増して物価安定目標に向けたモメンタムが強まるのは時間の問題との見方を示した。2015年4月撮影(2017年 ロイター/Yuya Shino)

[ロンドン 5日 ロイター] - 日本銀行の中曽宏副総裁は5日、英国ロンドンで講演し、インフレ圧力が増して物価安定目標に向けたモメンタムが強まるのは時間の問題とし、ようやく「真の夜明け」が近づきつつあるとの見解を示した。

副総裁は「需給ギャップとインフレ予想が改善を続けるなか、物価の基調的なモメンタムは維持されている」と指摘。「インフレ率は徐々に高まっていくのではないかと予想している」と述べた。

日銀の政策対応を振り返り、狙い通りの成果を得られたことがあった一方で「そうならなかったことがあったとも認めざるを得ない」と語った。

そのうえで「何度か偽りの夜明けも経験した」こともあったとしながらも、過去の経験から多くの教訓を学んだとも強調。「今度こそ、真の夜明けが近いと信じるに足る、より多くの理由があるように思われる」と述べた。

また「完全雇用のもとで非常に逼迫した労働市場は、緩和的な金融環境とあいまって、構造改革の過程で生じる痛みを和らげてくれるはず」との認識を示した。

講演後の質疑応答では、日銀は当面イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)政策を継続すべきとの見解を示した。また、英国の欧州連合(EU)離脱が世界経済の健全な成長の妨げとなることは望んでいないと語った。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米の年内利下げ、2回に予想引き上げ=バークレイズ

ビジネス

経済の「デトックス」、必ずしも景気後退意味せず=米

ワールド

ポーランド大統領、核兵器の同国内配備を米に要請=F

ワールド

トランプ氏「欧州産ワインに200%関税」、EUの報
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    【クイズ】世界で1番「石油」の消費量が多い国はどこ?
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 5
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 6
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 7
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 8
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 9
    「トランプの資産も安全ではない」トランプが所有す…
  • 10
    『シンシン/SING SING』ニューズウィーク日本版独占…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 6
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 7
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 8
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 9
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 10
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 6
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中