ニュース速報

ビジネス

米個人消費予想届かず、物価は1年半ぶりの低い伸び

2017年09月01日(金)03時08分

 8月31日、7月の米個人消費支出が市場予想をやや下回った。写真はニューヨークのスーパーで28日撮影(2017年 ロイター/Brendan McDermid)

[ワシントン 31日 ロイター] - 米商務省が31日発表した7月の個人消費支出(季節調整済み)は前月比0.3%増と、市場予想の0.4%増をやや下回った。

また米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安としているコア個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比で2015年末以来、約1年半ぶりの低い伸びとなり、FRBが12月に利上げを行うとの見方が弱まりそうだ。

6月の個人消費支出は当初発表の0.1%増から0.2%増へ上方改定された。

コアPCE物価指数は前月比0.1%上昇し、6月と同じ伸びとなった。前年同月比では1.4%上昇と、15年12月以来の小幅な伸びだった。6月は1.5%上昇していた。指数は過去5年間、FRBが目標とする2%を下回り続けている。

個人消費の伸びが緩やかであることに加えインフレ圧力は弱く、FRBが12月に再び利上げに踏み切るかは微妙だ。FRBは今年、2回利上げしている。

一方、9月には4兆2000億ドル規模の米国債や住宅ローン担保証券(MBS)といった保有資産を縮小し始める旨を発表するとみられている。

7月のインフレ調整後の個人消費は前月比0.2%増だった。

個人所得は0.4%増加し、消費を後押しする要因となった。6月は横ばいだった。賃金・給与は0.5%増。貯蓄は5102億ドルと、6月の5157億ドルから減った。

MUFGの首席エコノミスト、クリス・ラプキー氏は「インフレは現時点で低速車線上にあり、年内3回目の利上げを行う必要性に対し、FRB当局者らが慎重姿勢を示す公算が大きい」と語る。

モルガン・スタンレーの首席米エコノミスト、エレン・ゼントナー氏は「コアインフレ指標は前年比ベースでさらに鈍化した後に好転するとみており、FRBが9月会合で利上げを見送り、バランスシートのみに専念しやすくなる」と予想した。

CMEグループのフェドウォッチによると、金融市場が織り込む12月利上げ予想確率は31%程度と、先の時点での予想(約35%)から低下した。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部の病院を攻撃 ハマスは戦闘員

ワールド

ビル・ゲイツ氏「面会を希望」、トランプ氏が明らかに

ビジネス

米11月モノの貿易赤字、1029億ドルに拡大=商務

ワールド

北朝鮮兵、先週1000人死傷 ロシア西部クルスク州
MAGAZINE
特集:ISSUES 2025
特集:ISSUES 2025
2024年12月31日/2025年1月 7日号(12/24発売)

トランプ2.0/中東&ウクライナ戦争/米経済/中国経済/AI......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 2
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3個分の軍艦島での「荒くれた心身を癒す」スナックに遊郭も
  • 3
    なぜ「大腸がん」が若年層で増加しているのか...「健康食品」もリスク要因に【研究者に聞く】
  • 4
    わが子の亡骸を17日間離さなかったシャチに新しい赤…
  • 5
    ロシア軍の「重要」飛行場を夜間に襲撃...ウクライナ…
  • 6
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 7
    地下鉄で火をつけられた女性を「誰も助けず携帯で撮…
  • 8
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシ…
  • 9
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 10
    「不法移民の公開処刑」を動画で再現...波紋を呼ぶ過…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 3
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 4
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 5
    「腹の底から笑った!」ママの「アダルト」なクリス…
  • 6
    ウクライナの逆襲!国境から1000キロ以上離れたロシ…
  • 7
    オレンジの閃光が夜空一面を照らす瞬間...ロシア西部…
  • 8
    9割が生活保護...日雇い労働者の街ではなくなった山…
  • 9
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 10
    なぜ「大腸がん」が若年層で増加しているのか...「健…
  • 1
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 2
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が明らかにした現実
  • 3
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊」の基地で発生した大爆発を捉えた映像にSNSでは憶測も
  • 4
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼ…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 9
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 10
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中