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日欧EPA交渉が大枠合意、「ほぼ全ての重要分野が決着」
7月5日、日本とEUの経済連携協定(EPA)交渉が大枠合意。岸田文雄外相がEUのマルストローム委員と協議し決着した。東京での協議の様子。30日撮影(2017年 ロイター/Franck Robichon)
[ブリュッセル 5日 ロイター] - 日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)交渉が5日、大枠で合意に達した。岸田文雄外相がEUのマルムストローム欧州委員(通商担当)と協議し決着した。
マルムストローム委員は協議後、ツイッターで「閣僚レベルで政治合意に達した。サミットの場での合意確認を首脳らに提案する」と述べた。これを受け、安倍晋三首相は6日、ブリュッセルでユンケル欧州委委員長、トゥスクEU大統領と会談し、政治合意書に署名する見通しだ。
日本とEUは政治合意により、7日からドイツで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議で、自由貿易を強く推進する姿勢を打ち出し、保護主義への傾倒が懸念される米国をけん制したい考え。
EU高官らによると、今後数カ月間で残る交渉項目や法律問題を日本側と調整し、協定の最終的な調印にこぎつけたい構え。ある高官は「双方にとってほぼすべての重要分野で合意できた」と語った。
合意の詳細はまだ確定しておらず、6日の政治合意書にどこまで盛り込まれるかは不明。ただ、双方の当局者は、日本産自動車やチーズなど欧州産食品を含め、交渉が難航していた分野でかなり歩み寄れたとしている。
欧州の自動車業界は日本車に対する関税(最高10%)の撤廃に少なくとも7年かけることを要求していたが、EUの高官は、EPAは欧州自動車業界を「失望させない内容になる」と語った。
同高官によると、パルマハムなど産地の名前が付いた200品目余りの欧州産食品については、日本で呼称が保護される見通し。
EUから日本に輸出される食品の大半は関税が段階的に撤廃されるが、チーズなど乳製品については輸入枠が設定されるという。
高官はまた、日本政府が欧州企業に対し、日本の公的機関の入札への参加要件を大幅に緩和するとも述べた。
*本文中の脱字を補って再送しました。