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米GDP第1四半期1.2%増に上方改定、弱含み一時的か
5月26日、第1・四半期の米GDPは1.2%増に上方改定された。写真はアーカンソー州のスーパーで2015年6月撮影(2017年 ロイター/Rick Wilking)
[ワシントン 26日 ロイター] - 米商務省が26日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)改定値は年率換算で前期比1.2%増となった。速報値の0.7%増から上方改定された。
昨年の第1・四半期以来の弱い伸びだが、労働市場は最大雇用状態に近づいており、経済の弱含みは一時的な現象だったとみられる。市場予想は0.9%増だった。
昨年第4・四半期は2.1%増加していた。
米経済の3分の2以上を占める個人消費は0.6%増と、速報値の0.3%増から上方改定されたが、それでも09年第4・四半期以来の弱い伸びにとどまった。昨年第4・四半期は3.5%増と底堅い伸びを示していた。
バークレイズのチーフエコノミスト、マイケル・ギャペン氏は「改定値は今年に入ってからの景気減速がそこまで悪くないことを示しているが、個人消費の伸び悩みを巡る大きな懸念は残る」と話す。
在庫投資は43億ドルで、速報値の103億ドルから下方改定された。昨年第4・四半期は496億ドルだった。
在庫投資はGDPを1.07%ポイント押し下げた。速報値では在庫投資の寄与度がマイナス0.93%ポイントだった。
在庫投資のうち、機器の設備投資は7.2%増と、速報値の9.1%増から下方改定された。
税引き後利益(在庫評価・資本消費調整後)は年率で2.5%増だった。昨年第4・四半期は2.3%増だった。
第1・四半期の数字は、経済の状態を正確に映し出していない可能性がある。GDPは計算方法に問題があり、第1・四半期は弱く出がちだ。政府もこうした問題を認めており、改善に努めている。
ただ、第1・四半期の緩慢な成長は、トランプ米大統領が掲げる大胆な成長目標にとって打撃となる。16年の大統領選挙戦の際、トランプ氏はGDPを年率で4%に押し上げると公言していた。政府当局者は現在、3%がより妥当な目標であるとみている。
トランプ政権は、経済成長を促進するために大幅な減税を含むさまざまな政策を提案している。ただアナリストらは、労働生産性が弱いことや一部地域で労働力が不足していることを勘案すると、仮に政権が景気刺激策を実施したとしても、それが経済を押し上げるかどうか疑わしいとしている。
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