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ユーロ圏経済均衡化は道半ば、賃金上昇が重要=ECBレーン理事
5月12日、欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのレーン・アイルランド中銀総裁は、ECBは政策スタンスを変更する前に、賃金上昇圧力が物価上昇につながっているという確証を見つける必要があると述べた。2014年8月撮影(2017年 ロイター/Dado Ruvic)
[ダブリン 12日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのレーン・アイルランド中銀総裁は12日、ユーロ圏経済のリスクはまだ均衡化していないとの見方を示し、ECBは政策スタンスを変更する前に、賃金上昇圧力が物価上昇につながっているという確証を見つける必要があると述べた。
ユーロ圏経済は過去10年で最も好調となっており、4月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)速報値は前年比1.9%上昇と、ECBの中期的な目標である2%にほぼ達した。これを背景に、2兆3000億ユーロの債券買い入れプログラムの縮小を開始すべきとの意見も出ている。
だがレーン総裁はロイターに対し、ECBが超緩和的政策スタンスの調整を安心してできると感じるまでにはまだ距離があると言明。「まだ下方リスクは存在する。ただ、テールリスクは低下しており、モメンタムは均衡化に向けて回復している」とし、「均衡化はまだだが、均衡化へ向けて前進している」と述べた。
総裁はさらに、ECB内での「鍵となる実質的な議論」は、ユーロ圏の賃金上昇圧力に疑問が残る中で、物価上昇が中期的にどこへ向かっているかだと指摘。「生産や失業率に関する指標はかなり良好であり、それは良いことだし有益だ。ただ重要なのは、それらがどの程度、持続的な物価上昇につながるかだ」「コアインフレ率が目標に向かって上昇するために、賃金上昇がどうなるかが非常に重要だ」と述べた。