ニュース速報

ビジネス

AIIB、ADBと競合するものではない=黒田日銀総裁

2017年05月04日(木)18時04分

 5月4日、黒田東彦日銀総裁(写真)は、アジア開発銀行(ADB)の年次総会で、中国が主導してアジアインフラ投資銀行(AIIB)が設立されたことは、膨大なアジアのインフラ需要に対応するために「結構なこと」と述べるとともに、ADBと競合するものではない、との認識を示した。写真は4日横浜市で撮影(2017年 ロイター/Issei Kato)

[横浜市 4日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は4日、アジア開発銀行(ADB)の年次総会が開かれている横浜市で、中国が主導してアジアインフラ投資銀行(AIIB)が設立されたことは、膨大なアジアのインフラ需要に対応するために「結構なこと」と述べるとともに、ADBと競合するものではない、との認識を示した。

記者団に語った。

黒田総裁は2日にも、中国がAIIBの設立を主導し、アジア内外の国々が加盟していることは「いいことだ」との見解を示していた。

総裁は、あらためて「アジアはインフラニーズがものすごく大きい」とし、AIIBの設立によって「さらにインフラの支援をしていくことは結構なことだ」と前向きに評価。AIIBは、世界銀行やADBなど「国際的な開発銀行とは違う」と述べ、ADBなどと「競合するものではない」ことも強調した。

日本がAIIBに加盟する可能性に関しては「(AIIBへの評価と)その話は別だ。日本政府に聞いてほしい」と語った。

また総裁は、世界経済について「全体として成長が加速する状況になっている」とし、特にアジア地域は「非常に好調」と指摘。先行きについても、「アジアの経済や金融の中に内在的に大きな問題があるとは見ていない」との見解を示した。

もっとも、シリアや北朝鮮の情勢など地政学的リスクや重要な選挙が相次ぐ欧州の政治リスクなどを「経済や金融に影響を与え得るリスク」とし、「政治の適切な対応を期待する」と語った。

(伊藤純夫 編集:吉瀬邦彦)

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ASEAN、ミャンマー選挙に全関係者の参加望む=タ

ビジネス

鴻海、日産への関心保留 ホンダとの協議見極め=ブル

ビジネス

独小売業の業況感が悪化 年末商戦も盛り上がらず=I

ビジネス

中国国債利回りが軒並み低下、人民銀の警告に取り合わ
MAGAZINE
特集:アサド政権崩壊
特集:アサド政権崩壊
2024年12月24日号(12/17発売)

アサドの独裁国家があっけなく瓦解。新体制のシリアを世界は楽観視できるのか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 2
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達した...ここまで来るのに40年以上の歳月を要した
  • 3
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 4
    おやつをやめずに食生活を改善できる?...和田秀樹医…
  • 5
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 6
    電池交換も充電も不要に? ダイヤモンドが拓く「数千…
  • 7
    「均等法第一世代」独身で昇進を続けた女性が役職定…
  • 8
    米電子偵察機「コブラボール」が日本海上空を連日飛…
  • 9
    クッキーモンスター、アウディで高速道路を疾走...ス…
  • 10
    藻類の力で「貴金属リサイクル率」向上...日本発スタ…
  • 1
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──ゼレンスキー
  • 2
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いするかで「健康改善できる可能性」の研究
  • 3
    村上春樹、「ぼく」の自分探しの旅は終着点に到達した...ここまで来るのに40年以上の歳月を要した
  • 4
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 5
    「どんなゲームよりも熾烈」...ロシアの火炎放射器「…
  • 6
    電池交換も充電も不要に? ダイヤモンドが拓く「数千…
  • 7
    女性クリエイター「1日に100人と寝る」チャレンジが…
  • 8
    ウクライナ「ATACMS」攻撃を受けたロシア国内の航空…
  • 9
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 10
    【クイズ】アメリカにとって最大の貿易相手はどこの…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    ロシア兵「そそくさとシリア脱出」...ロシアのプレゼンス維持はもはや困難か?
  • 4
    半年で約486万人の旅人「遊女の数は1000人」にも達し…
  • 5
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 6
    「炭水化物の制限」は健康に問題ないですか?...和田…
  • 7
    ミサイル落下、大爆発の衝撃シーン...ロシアの自走式…
  • 8
    コーヒーを飲むと腸内細菌が育つ...なにを飲み食いす…
  • 9
    2年半の捕虜生活を終えたウクライナ兵を待っていた、…
  • 10
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中