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消費者信用の急速な伸び、英銀のリスクに=英中銀

2017年04月05日(水)00時16分

 4月4日、イングランド銀行(英中央銀行)は英国の消費者に対する無担保融資の急速な伸びに貸出審査基準の緩和が伴った場合、銀行のリスクとなることを政策担当者らは懸念していると表明した。2016年8月撮影(2017年 ロイター/Neil Hall)

[ロンドン 4日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)は4日、英国の消費者に対する無担保融資の急速な伸びに貸出審査基準の緩和が伴った場合、銀行のリスクとなることを政策担当者らは懸念していると表明した。

英国の消費者借り入れの伸びは昨年末時点で10%強と、過去10年で最速のペースで拡大、経済成長を下支えている。貯蓄率は過去50年あまりで最低を記録。その一方で、経済見通しには陰りもみられる。ポンド安に伴い家計が負担する生活費は上昇しているが、賃金の伸びは長期的な平均水準に届かない状態が続くとみられる。

中銀は先週、信用の伸びに関連するリスクを注視していく方針を表明。この日は金融安定委員会(FPC)がその結論に至った詳細などを公表した。

中銀は「信用供与状況の緩和は一部市場での競争激化とともに消費者信用の伸びに寄与したとみられる」と分析。「FPCはモーゲージ債務と消費者信用に関し、家計支出への影響を通じた広範なマクロ経済安定へのリスクとなる可能性は低いと判断した」としつつ、「最近の消費者信用の急速な伸びは、貸出基準の緩和が伴えば、主として金融機関のリスクとなる可能性がある」と指摘した。

中銀は、家計への貸し出しでは住宅ローンの占める割合がはるかに大きいものの、銀行への定期的な「ストレステスト(健全性審査)」は、消費者融資が焦げ付いた場合の金融機関の損害が大きくなる可能性を示していると警告した。

*内容を追加しました。

ロイター
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