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英拠点の銀行、ユーロ圏参入で要件緩和も 移転容易に=ECB

3月22日、ECBのラウテンシュレーガー専務理事は、英国のEU離脱に伴い、英国からユーロ圏へと移転を検討している銀行に対して、内部リスクモデルの事前承認を得る規制要件を一時的に緩和する可能性があるとの認識を示した。写真は2014年9月撮影。(2017年 ロイター/Heinz-Peter Bader)
[フランクフルト 22日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のラウテンシュレーガー専務理事は22日、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)に伴い、英国からユーロ圏へと移転を検討している銀行に対して、内部リスクモデルの事前承認を得る規制要件を一時的に緩和する可能性があるとの認識を示した。
ユーロ圏で事業を展開する銀行は、リスク測定の金融モデルをECBから事前に承認を受ける必要があり、通常は数カ月を要する。フランクフルトやパリ、ルクセンブルク、ダブリンなどは、ロンドンから移転する金融機関の受け皿になろうと競っており、ECBが銀行の規制負担を緩和すればユーロ圏への事業移転を促し、欧州の金融業界の風景を一変させる可能性がある。
ラウテンシュレーガー専務理事は、リスクモデルが英当局の承認を受けており、ユーロ圏における承認申請を行っていれば、「ECBからの承認をまだ受けていない内部モデルを使用できる移行期間を設ける」意向を示した。ECBがモデルを承認、または却下した時点でこの時限措置は失効するとしている。
一方で「架空会社は受け付けない」とも述べ、移転手続きを簡素化しても、ユーロ圏で事業展開する銀行は十分なリスク管理や人員体制、事業運営上の独立性を要求されるとの考えを示した。