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米シティ、第4四半期7%増益 債券・為替取引の急拡大が追い風

2017年01月19日(木)07時52分

1月18日、米銀大手シティグループが発表した第4・四半期決算は7%の増益。写真は2015年5月、ニューヨークで撮影(2017年 ロイター/Mike Segar/Files)

[18日 ロイター] - 米銀大手シティグループが18日発表した第4・四半期決算は7%の増益。昨年11月の米大統領選後に債券・為替トレーディングが急拡大したことが追い風となった。

ガースパッチ最高財務責任者(CFO)は記者団に対し「多くの事業が好調な勢いを維持して年度を終えた」と述べた。

これによって米金融グループ大手の決算が出そろった。ゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーいずれも債券・為替・コモディティーなどのトレーディング収入の拡大を背景に好調な内容となっている。

シティの純利益は35億7000万ドル(1株当たり1.14ドル)と、前年同期の33億4000万ドル(同1.02ドル)から増加。1株利益はトムソン・ロイター・エスティメーツのまとめたアナリスト予想の1.12ドルを上回った。

債券のトレーディング収入は約36%急増。株式トレーディング収入も約15%増加した。これによって、市場・証券関連サービス部門全体の収入は約24%増となった。

ただ、調整後の収入は9%減の170億1000万ドル。資産売却などが響き、市場予想の173億ドルを下回った。

総費用は9%減の101億2000万ドル。

中核事業のシティコープの調整後の収入は6%増の163億6000万ドル。経費は2%減の94億6000万ドルだった。

シティの調整後の自己資本利益率(ROE)は前年同期比変わらずの7.1%。マイケル・コーバット最高経営責任者(CEO)は2012年に15年までに10%に引き上げる目標を掲げていたが、達成には至っていない。

ガースパッチCFOは、アジアおよび中南米事業の現状について、良好との見方を示した。シティのメキシコ子会社であるシティバナメックスをめぐっては、トランプ次期米大統領の政策でメキシコ経済や通貨ペソが打撃を受ける恐れがあるとして、投資家から子会社売却を求める声もあがっている。ペソは対ドルで昨年11月の米大統領選以降、15%値下がりしている。

金利上昇に伴い、保有する一部債券資産の価値が低下した。またシティグループの純金利マージンは2.79%と、前年の2.92%から低下した。ガースパッチCFOは、純金利マージンの低下は予想以上だったと述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
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