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米11月住宅着工18.7%減の年率109万戸、許可件数も減少

12月16日、11月の米住宅着工件数は前月比18.7%減の年率109万戸と、約2年ぶりの大幅な落ち込みとなった。写真は6月、サンディエゴの住宅建設現場を撮影(2016年 ロイター/Mike Blake/File Photo)
[ワシントン 16日 ロイター] - 米商務省が16日発表した11月の住宅着工件数(季節調整済み)は前月比18.7%減の年率109万戸と、約2年ぶりの大幅な落ち込みとなった。市場予想の123万戸も大きく下回った。
10月の着工件数は当初発表の132万3000戸から2007年7月以来の高水準となる134万戸に上方改定された。
住宅着工件数は月ごとの変動が非常に大きい。ただ、建設活動が幅広く減速していることや、今週発表された11月の小売売上高や鉱工業生産の内容が弱かったことを踏まえると、第4・四半期の米経済の成長をさらに下押しする可能性がある。
アトランタ連銀による第4・四半期の国内総生産(GDP)の成長率予想は年率2.4%で、好調だった第3・四半期の実績値の3.2%を割り込んでいる。
11月は着工件数が国内4地域全てで減少した。10月は建設が伸びて着工と許可の差が広がっており、11月の着工は許可件数の水準に落ち着くだろうと予想されていた。
市場に占める割合が最も大きい一戸建ては4.1%減の82万8000戸。10月は約9年ぶりの高水準を記録していた。変動の大きい集合住宅は26万2000戸と45.1%の急減だった。
着工の先行指標である許可件数も4、7%減った。一戸建てが0.5%増えて2007年11月以来の高水準を記録したものの、集合住宅が13.0%の大幅な減少となった。
トランプ氏の予想外の米大統領選勝利を受けて、同氏が掲げる拡張的な財政政策がインフレを煽りかねないとの懸念が台頭。米国債の利回りが急上昇し、連動する形で住宅ローン金利も2年以上ぶりとなる高い水準となっている。
米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、11月8日の大統領選以降、住宅ローンの30年固定金利は60ベーシスポイント(bp)上昇し、12月15日に終わった週は平均で年4.16%と14年10月以来の高い水準になった。
それでも住宅市場は堅調さを維持している。労働市場の引き締まりが賃金を押し上げており、住宅市場を下支えしているからだ。15日に発表された住宅建設業者指数は2005年7月以来となる高水準を記録。建設業者は力強い住宅販売を期待している。