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タカタ支援企業候補の5陣営、10月に米で自動車各社向け説明会
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10月11日、タカタ支援企業候補の5陣営が、自動車メーカー向けの説明会を開く。写真は同社のロゴマークと米国旗。ミシガン州で昨年5月撮影(2016年 ロイター/Rebecca Cook)
[東京 11日 ロイター] - エアバッグの相次ぐ事故で窮地にあるタカタ<7312.T>再建をめぐり、支援スポンサー候補となっているダイセルなど5グループは、10月下旬にもタカタの取引先であるトヨタ自動車<7203.T>やホンダ<7267.T>など自動車メーカーに対し支援提案を説明する会合を開く。
自動車メーカーはタカタの最大の債権者で、この説明会を踏まえた各社の判断がスポンサー選定の重要な鍵となりそうだ。
複数の関係筋によると、説明会は米ニューヨークで開く予定。タカタの再建策をまとめる外部専門家委員会のほか、日本からはトヨタやホンダ、日産自動車<7201.T>、海外メーカーからはフォルクスワーゲンなどが出席し、9月中旬のスポンサー入札に参加した5陣営から直接、提案内容の説明を受ける。
入札に参加したのは、化学品メーカーのダイセルと米系ファンドのベイン・キャピタル連合、米自動車部品大手のキー・セイフティー・システムズ(KSS)と米投資ファンドのカーライル・グループ連合、さらに、米投資ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)
自動車メーカーは、最大1兆円にも膨れ上がるとされるタカタのリコール費用を立て替えており、最大の債権者として支援スポンサー選定に大きな発言力を持っている。各社は再建が決まった後もタカタとの取引を継続する意向で、スポンサー候補の各陣営から直接説明を受け、提案内容を精査することになった。
関係者によると、スポンサー入札では、ダイセル―ベイン連合が3000億円超の出資案を提示し、金額面では突出している。外部専門家委は、最も高い金額を提示したダイセル連合を有力候補として推したい考えだが、自動車メーカー側には製品の品質や安定供給の観点からエアバック世界最大手のオートリブを推す声も出ているという。ただ、オートリブについては独占禁止法をクリアするのに膨大な時間を要するリスクがあるとの指摘もある。
入札では5陣営すべてが、タカタに対して将来的に請求され得るリコール費用や訴訟費用のリスクと再建プロセスを切り離すため、法的整理が必要との提案を行った。国内の自動車メーカーは日本での法的整理は避けたい意向を示しているが、米国など海外での法的整理はやむ得ないとの考えだという。
外部専門家委は10月中にもスポンサー候補を2グループに絞り込み、11月に条件交渉を詰める予定だ。
(ロイター日本語ニュース ※)