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インタビュー:年内の再利下げを支持=英中銀副総裁

8月5日、イングランド銀行のブロードベント副総裁は年内の再利下げを支持すると述べた。昨年11月撮影(2016年 ロイター/Neil Hall)
[ロンドン 5日 ロイター] - イングランド銀行(英中銀、BOE)のブロードベント副総裁は5日、年内の再利下げを支持すると述べた。一方、新たに導入した民間銀行向け資金供給スキーム(TFS)については、金利をマイナスに導くための手段として使うことはないとした。ロイターなど報道機関3社のグループインタビューに応じた。
ブロードベント氏は英国が欧州連合(EU)離脱を決めたことによる経済への打撃を見極める上で労働市場を注視していると述べ、英求人雇用連盟(REC)が5日発表した月例調査で、7月の英企業の正規雇用の減少率は2009年5月以来最大だったことに言及した。
BOEは4日、金融危機以来最大規模の景気刺激策を発表した。政策金利を過去最低水準の0.25%に引き下げたほか、量的緩和を再開し、新たに社債の購入とTFS導入も打ち出した。
ブロードベント氏は「(金融政策委員会の)大半が英経済が予想通りの展開となった場合、再利下げに投票するとの見方だった。私もその一人だ」と述べた。
今回の政策委は国債購入額を6カ月かけて600億ポンド(790億ドル)拡大することを決めた。これについて、ブロードベント氏は拡大の完了前に目標額を引き上げる可能性があるとした。
今回、BOEは初めて社債の大規模購入に踏み切ったが、ブロードベント氏は将来的に上場投資信託(ETF)の買い入れも選択肢に入れていると述べた。政策委ではまだ協議されていないという。
ブロードベント氏は、減税や財政支出による追加刺激策や金融政策をもってしてもEU離脱に伴う悪影響を完全に相殺することはできないと指摘した。
TFSの下でBOEは、新たな政策金利である0.25%近辺の水準で銀行に対して1000億ポンドの資金を供給できるようになる。ブロードベント氏は、TFSをマイナス金利導入のために使うことはないとした。BOEのカーニー総裁が政策金利をゼロ以下に引き下げることに反対する姿勢を明確にしているため、一部のアナリストは、TFSの適用金利をマイナスにすることで、BOEはマイナス金利導入と同じ効果を狙うのではないかと推測していた。
ブロードベント氏は「われわれにも限度がある。大幅なマイナス金利で資金を供給した場合、自分たちが損失を出すことになる。そのようなことはしたくない」と述べた。