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欧州委、スペイン・ポルトガルの財政規律違反の対応 27日発表の公算

7月26日、欧州委員会は27日にもスペインとポルトガルに対し、財政規律違反で罰金を課すと提案する可能性がある。写真は欧州委本部前に掲げられたEUの旗。4月20日撮影。(2016年 ロイター/Francois Lenoir)
[ブリュッセル 26日 ロイター] - 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は27日にもスペインとポルトガルに対し、EUの財政規律に違反したとして罰金を課すと提案する可能性があることが明らかになった。
EUは20年前に財政規律に違反した加盟国に罰金を課す規定を導入。フランスなどが違反を繰り返しているが、EUはこれまで罰金を課したことはなく、今回決定されれば初めてとなる。
欧州委のシナス報道官は26日の定例記者会見で「欧州委員は27日に開く会合でスペインとポルトガルをめぐる状況について協議する」とし、「両国が過剰赤字の是正に効果的な措置を取っていないとの判断がこれまでに下されているが、こうした判断に対し必要な措置について検討する」と述べた。
EU加盟国は財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を3%以内に収めることを求められているが、EU財務相は今月12日、スペインとポルトガルがこの規定に違反していると判断。両国にはそれぞれのGDPの0.2%に相当する罰金が課される可能性がある。額にするとスペインは約21億6000万ユーロ、ポルトガルは3億5800万ユーロとなる。
ただ両国は欧州委に対し寛容な態度で臨む必要があることを説明する書簡を送っており、欧州委は罰金を減額、もしくは帳消しとする可能性もある。
また、欧州委は両国の財政規律達成期限の延長を提案する可能性もある。その場合はスペインは2年延長の2018年末、ポルトガルは1年延長の2016年末とされる見通し。