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米6月住宅着工件数増加、伸び抑制の可能性も

2016年07月20日(水)01時25分

 7月19日、6月の米住宅着工件数は年率換算で前月比4.8%増の118万9000戸と、市場予想を上回った。写真は米コロラド州の住宅建設現場、昨年8月撮影。(2014年 ロイター/Rick Wilking)

[ワシントン 19日 ロイター] - 米商務省が19日発表した、6月の米住宅着工件数(季節調整済み)は年率換算で前月比4.8%増の118万9000戸だった。市場予想の117万戸を上回った。

一方、5月の数字は当初発表の116万4000戸から113万5000戸に、4月分もそれぞれ下方修正された。

6月の許可件数は1.5%増の115万3000戸だった。内訳は、一戸建て住宅が1.0%増の73万8000戸で集合住宅が2.5%増の41万5000戸だった。

住宅着工件数の第2・四半期の平均は前期よりもやや多く、住宅建設は第2・四半期の国内総生産(GDP)を小幅に押し上げる要因となりそうだ。

住宅市場は、雇用市場の引き締まりと、賃貸物件の需要増加に下支えされている。ただ、建設のための人手と土地の不足によって住宅建設は抑制されている。

18日に発表された7月のNAHB/ウエルズ・ファーゴ住宅建設業者指数は、一部の市場が弱含んだことを示した。調査先は規制要因と、建設用地や労働力の不足を指摘した。

6月の住宅着工件数の内訳は、市場で最も大きなシェアを占める一戸建て住宅が4.4%増の77万8000戸だった。最大市場の南部は0.5%の増加。北東部では31.6%、西部は3.1%、中西部は7.3%それぞれ増加した。

ただ、一戸建て住宅の建設は引き続き許可件数を上回っており、近く建設の伸びは抑制される可能性がある。

ナロフ・エコノミック・アドバイザーズの首席エコノミスト、ジョエル・ナロフ氏は「建設の動きが続いている。ただ、小康状態に差し掛かったようにみえ、許可申請や建設の動きはもはや急加速していない」と話した。

BMOキャピタル・マーケッツ(トロント)のシニアエコノミスト、サル・ガティエリ氏は「新築住宅需要は、過去最低の住宅ローン金利で引き続き十分に支えられている。建設遅れを防ぐため、許可プロセスの加速が必要となる可能性がある」と語った。

変動が大きい集合住宅は5.4%増の41万1000戸だった。金融危機時の住宅市場崩壊の後遺症で、いまだに住宅購入をためらっている人もおり、賃貸需要の高さは集合住宅建設の追い風となっている。

ただエコノミストらは、大半の需要は既に満たされており、今後は限定的な伸びになるだろうとみている。一部の都市では家賃の値上がりが鈍化し始め、空室率も徐々に上がっている。

*内容を追加して再送します。

ロイター
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