ニュース速報

ビジネス

出光創業家と経営陣、昭和シェルとの統合めぐる協議は平行線

2016年07月11日(月)21時12分

 7月11日、昭和シェル石油 との経営統合をめぐり、出光興産の経営陣と、白紙撤回を求めている創業家側が、都内で会談した。創業家の代理人は記者団に、話し合いは「平行線」に終わったと述べ、事態打開への進展がなかったことを明らかにした。写真は都内で2015年11月撮影(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 11日 ロイター] - 昭和シェル石油 <5002.T> との経営統合をめぐり、出光興産 <5019.T>の経営陣と、白紙撤回を求めている創業家側が11日、都内で会談した。会談に同席した創業家の代理人は記者団に対し、話し合いは「平行線」に終わったと述べ、事態打開への進展がなかったことを明らかにした。

一方、出光の関大輔副社長は同日夕方、記者会見し、石油需要の減少を背景に「今回の統合は何としても実現しないといけない」と強調。そのうえで、「創業家は我々が目指す新会社でも筆頭株主になると予想される。今後とも信頼関係の維持に努める」と述べた。

会談には出光経営陣からは月岡隆社長ら、創業家側からは名誉会長の出光昭介氏らが出席した。創業者の長男で元社長の昭介氏の代理人を務める浜田卓二郎弁護士は、会談後、記者団に、「今まで言った通りの主張を変えないということを申し上げた」と述べた。

浜田氏は今後も話し合いは続けていくとしたが、次回の会談の日程は未定としている。

<経営陣、公取委審査後の説得に期待>

関副社長は、昭和シェルとの統合に係る公正取引委員会による審査が続く中で、「創業家の不安を増幅している」と説明した。同氏は、「統合の詳細を関係者で詰めることができず、新会社の具体的な絵姿を示すことができない」ことが事態を難しくしているという。

出光経営陣は、公取委の承認を得て、英蘭系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルから昭和シェル株の33.3%を取得する考え。その後、統合契約を締結し、年内に臨時株主総会を開いて統合の承認を目指す。

関氏は、「株を取得後、(統合の詳細について)具体的な説明ができれば、(創業家は)安心されると思う」と述べた。

*出光経営陣の会見の内容を加えました。

(浦中大我、浜田健太郎 編集:吉瀬邦彦)

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

エジプト大統領、トランプ氏とガザ停戦合意の強化で合

ワールド

シリア暫定大統領、サウジ訪問 ムハンマド皇太子と復

ワールド

どう米国益にかなうのか、自由貿易への影響精査必要=

ビジネス

日経平均は大幅反落で寄り付く、トランプ関税警戒 主
MAGAZINE
特集:トランプ革命
特集:トランプ革命
2025年2月 4日号(1/28発売)

大統領令で前政権の政策を次々覆すトランプの「常識の革命」で世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」を予防するだけじゃない!?「リンゴ酢」のすごい健康効果
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 5
    メーガン妃からキャサリン妃への「同情発言」が話題…
  • 6
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 7
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 8
    マイクロプラスチックが「脳の血流」を長期間にわた…
  • 9
    トランプ「関税戦争」を受け、大量の「金塊」がロン…
  • 10
    「やっぱりかわいい」10年ぶり復帰のキャメロン・デ…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    「DeepSeekショック」の株価大暴落が回避された理由
  • 4
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 5
    緑茶が「脳の健康」を守る可能性【最新研究】
  • 6
    今も続いている中国「一帯一路2.0」に、途上国が失望…
  • 7
    DeepSeekショックでNVIDIA転落...GPU市場の行方は? …
  • 8
    血まみれで倒れ伏す北朝鮮兵...「9時間に及ぶ激闘」…
  • 9
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
  • 10
    「靴下を履いて寝る」が実は正しい? 健康で快適な睡…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 5
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 8
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
  • 9
    中国でインフルエンザ様の未知のウイルス「HMPV」流…
  • 10
    失礼すぎる!「1人ディズニー」を楽しむ男性に、女性…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中