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NY市場サマリー(17日)

2016年06月18日(土)07時59分

[17日 ロイター] - <為替> 英ポンドが対ドルで約1%上昇した。前日に英国の欧州連合(EU)残留支持を訴えていた女性議員が殺害されたことを受け、この事件が23日に実施される離脱の是非を問う国民投票に及ぼす影響を見極めようとする動きが広がっている。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)の外為戦略グローバル責任者のマーク・チャンドラー氏は「何が起こるか分からないため、ポジション調整の動きが出ている」と指摘。調整の大部分はリスクオフの巻き戻しとなっていると述べた。

円は対ドルで約2年ぶり、対ユーロで約3年ぶりの高値近辺で推移。日銀が16日の金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定したことを受け、市場では景気刺激に向けた日銀の措置は枯渇しつつあるのではないかとの見方が広がり、円は上昇している。

<債券> 国債利回りが約2週間ぶりに上昇した。市場では、英国の欧州連合(EU)離脱の確率を見直す動きが出ている。

欧州連合(EU)残留支持派の英女性議員が銃撃され死亡した事件を受けて、市場では残留派が勢いを盛り返す、または国民投票が延期されるとの憶測が浮上している。

米セントルイス地区連銀のブラード総裁は同日、米連邦準備理事会(FRB)は年内1度利上げを実施し、その後2018年末まで据え置く可能性があるとの見方を示した。発言を受け、期間長めの国債利回りはこの日の高水準をつけた。

<株式> 反落して取引を終えた。米アップルが売られダウやナスダックを押し下げた。英国の欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票を来週に控えて投資家は慎重になっている。週間ベースでは主要3指数がいずれも1%を超える値下がりとなった。ナスダックは2%近く落ち込んだ。

アップルは2.3%下落した。北京の知的財産当局が先月、アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)6」と「6プラス」のデザインが中国企業の特許を侵害したとして、一部モデルの販売を禁止していることに対し、アップルは18日、中国で現在も両製品を販売していると説明した。

S&Pハイテク株指数<.SPLRCT>も約0.9%落ち込んだ。ただソフトウエア大手オラクルが2.7%上昇したことで指数全体の下落に歯止めがかかった。四半期収益が市場予想を上回ったことが好感された。オラクルはS&Pの最大の押し上げ要因だった。

<金先物> 利益確定の売りに押され、8営業日ぶりに反落した。金相場は米追加利上げ観測の後退や英国の欧州連合(EU)離脱懸念を背景に前日まで 清算値が7営業日続伸、一時は1年10カ月ぶりの高値を付けていた。この日は最近の上 昇を受けた利益確定の売りが優勢となり、相場はマイナス圏に沈んだ。ただ、外国為替市場でドル売り・ユーロ買いが優勢になると、ドル建てで取引される金 塊は割安感から買い戻しも入り、下値は限定的だった。

<米原油先物> 英国の欧州連合(EU)離脱懸念が後退したことなどから買い戻しが入り、7営 業日ぶりに反発した。英国で23日に実施されるEU離脱の是非を問う国民投票をめぐっては、 残留派として活動していた女性議員が16日に殺害される事件が発生したことから、同情票が集まって残留派に有利に働くのではないかとの観測が浮上。過熱気味だった離脱懸念が幾分後退したことから、リスク投資意欲が若干戻り、原油相場はじりじりと値を上げる展開となった。このほか、外国為替市場でドルが対ユーロで売られたことも、ドル建てで取引される原油に割安感を与え、相場の押し上げ材料となった。

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