ニュース速報

ビジネス

NY市場サマリー(10日)

2016年06月11日(土)08時08分

[10日 ロイター] - <為替> 原油安や銀行株主導で世界的に株安が進行する中、安全資産とされる円やスイスフランが上昇した。欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国民投票が2週間後に迫り、リスク回避姿勢が強まっている。この日公表された最新の英世論調査では、EU残留派の45%に対し、離脱派は55%と、10ポイント差をつけた。

円はドルに対し0.4%高の106.65円。週間ではほぼ横ばいで終える見通し。円は対ユーロでは一時119.88円と、2013年4月以来の高値をつけた。その後は0.9%高の120.09円。EU離脱懸念から英ポンドも売られ、対ドルで1.4180ドルと、7週間ぶり安値に沈んだ。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 10年債利回りが一時、1.627%と約4カ月ぶりの低水準をつけた。英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)や、世界成長への懸念が広がり、欧州国債利回りが急低下するなど、市場関係者によると「安全への逃避」の動きが一部でみられた。

この日は、ドイツや日本、英国の10年債利回りが軒並み過去最低を記録した。ドイツ10年債利回りは一時、0.01%まで下がった。米国10年債利回りのテクニカル抵抗線は1.60%前後とされ、この水準を下回れば一段の低下を招く公算が大きいとの指摘も聞かれた。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 2日続落で取引を終えた。原油が一段安となったことに加え、世界経済への懸念再燃で市場心理が悪化した。 週間ベースでは、S&Pが約0.1%、ナスダックが約1.0%それぞれ値下がりした。一方、ダウは約0.3%高だった。株式の投資家の一部は、年明けの相場乱高下が再び起きるだろう見込む。S&Pは2月の安値から約13.3%反発しているが、それを支えた1次産品価格の持ち直しは勢いを失いつつある。

こうした中、半導体大手インテルは0.3%高となった。アップルの携帯電話「iPhone(アイフォーン)の一部について、クアルコムに代わって受注を獲得したとする報道が材料視された。クアルコムは2.1%安となった。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 投資家のリスク投資意欲が減退する中、安全資産とされる金を物色する動きが強まり、3営業日続伸した。8月物の清算値は前日比3.20ドル高の1オンス=1275.90ドル。この日は利益確定やチャート要因による売りも出たが、原油相場の続落や世界的な株安を受けて、金塊は安全資産としての買いを集めた。外国為替市場でドルが対ユーロで上昇すると割高感などから売られ、一時マイナス圏に沈んだものの、その後は堅調に転じた。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ドル高・ユーロ安による割高感や利益確定の売りなどを背景に続落した。米国産標準油種WTI7月物の清算値は前日比1.49ドル(2.95%)安の1バレル=49.07ドルと、中心限月の清算値ベースで6月3日以来1週間ぶりの安値を付けた。この日は売りが先行し、徐々に値を下げる展開。週末要因からひとまず利益を確定する動きが活発化したほか、ドル高による商品相場の割高感も重なった。米石油サービス会社ベーカー・ヒューズによると、この日までの1週間の国内エネルギー企業の石油掘削リグ稼働数は前週から3基増の328基となった。増加はこれで2週連続。これをきっかけに、米国の原油減産ペースが鈍化するのではないかとの懸念も急浮上した。同稼働数の増加は今年に入り3度目。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ和平案、米国との合意は容易ではない=ロシ

ビジネス

焦点:ルイ・ヴィトン、テキサスの生産苦戦 米拠点拡

ワールド

自民が対米交渉で会合、赤沢再生相「国益や効果考え抜

ワールド

赤沢再生相が16日─18日に訪米、財務長官・通商代
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトランプ関税ではなく、習近平の「失策」
  • 3
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができているのは「米国でなく中国」である理由
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    「世界で最も嫌われている国」ランキングを発表...日…
  • 6
    NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険…
  • 7
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 8
    シャーロット王女と「親友」の絶妙な距離感が話題に.…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 4
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    「ただ愛する男性と一緒にいたいだけ!」77歳になっ…
  • 7
    投資の神様ウォーレン・バフェットが世界株安に勝っ…
  • 8
    「吐きそうになった...」高速列車で前席のカップルが…
  • 9
    コメ不足なのに「減反」をやめようとしない理由...政治…
  • 10
    まもなく日本を襲う「身寄りのない高齢者」の爆発的…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中