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米利上げ、6月か7月に必要となる可能性=ダドリーNY連銀総裁
5月19日、ダドリー米ニューヨーク連銀総裁は、米経済が6月か7月の利上げを正当化するほど十分に力強い可能性があると述べた。写真は2011年6月、ニューヨークで撮影(2016年 ロイター/Jessica Rinaldi)
[ワシントン 19日 ロイター] - ダドリー米ニューヨーク連銀総裁は19日、米経済は6月か7月の利上げを正当化するほど十分に力強い可能性があるとの考えを示した。
総裁は「われわれは(利上げに必要な)多くの条件を満たす軌道にある」と指摘。「統計の内容次第だが、6月会合で行動を起こす可能性は確実にある」と述べた。
ただ、欧州連合(EU)離脱の是非を問う英国の国民投票の前後に市場が混乱する可能性があり、もう少し時間をかけて見極めるべきとする主要な要因となっていると説明した。
前日公表の4月開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、6月に利上げが適切となる公算が大きいとの見方が大勢だったことが判明。まずは米経済が引き続き力強さを増していると確認したいとの意向が示された。ダドリー総裁の発言は、米連邦準備理事会(FRB)内で6月に利上げが必要との見方が強まっていることを裏付ける。
また総裁は、市場が織り込む6月利上げの確率が今週高まったことに「非常に満足している」と語った。議事要旨でも、市場が利上げを想定しておらず、実際に利上げに踏み切った際に市場の不意を襲うような状況に陥ることに対し、懸念が示されていた。
その上で「もし私自身の見通しが順調なようだと確信すれば、6━7月の引き締めは妥当な想定」とした。
CMEグループによると、議事要旨の公表以降、市場が予想する次回利上げ時期は9月から7月にシフトした。フェデラルファンド(FF)金利先物市場が織り込む6月の利上げ確率は現在30%で、議事要旨公表前の19%から上昇した。
ダドリー総裁の発言を受けて、ドル指数は上げ幅を拡大、米株は一段安となった。利上げが近いと市場が引き続き見込んでいることを示唆している。
総裁はまた、6月のFOMCが英国民投票の1週間前に開催される点に言及。金融市場が再び混乱する恐れもあり、「6月か、やや待つ方が理にかなうのか考えなければならない」と話した。
*内容を追加します。